(2) コミュニケーション能力(2/2)
(b) 意思伝達のための支援能力
コミュニケーションは、双方向の意思伝達プロセスである。意思伝達をサポートするための支援能力として言語能力、非言語能力、役割能力、コンテキスト能力がある。
◦言語能力
人間が言語規則について暗黙のうちに内蔵している知識で、言語システムの中のメッセージを理解できる能力で、単に理解するだけでなく、相手に応じて返答する、話を進める、沈黙するなどの使い分けができる能力を含む。
◦非言語能力
顔の表情やジェスチャー、視線、しぐさ、姿勢などの非言語面を理解し、それに反応できる能力
◦役割能力
聞き手あるいは一般聴衆等との関係において、社会的役割をどのように引き受けるかについての知識を含め、種々の社会的状況において正しい役割と行動をとる能力
⒞ コンテキスト能力
コミュニケーションは、発信者と受信者間の意思伝達のプロセスであるが、発信者はすべてのメッセージを発信するわけではない。両者が理解している会話に必要な背景はコンテキストとして、言語のメッセージに含めず、言外に包含して受発信される。特に同質な社会では、少ない量のメッセージでコンテキストも含めて大量のメッセージを送ることができる。コンテキスト能力は環境の中にあるコミュニケーションにとって、重要な側面を知覚し解釈する能力である。言語や非言語から発せられるもの以外の状況や関連事項を理解する能力、人々とうまく関わりあえる能力を含んでいる。