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6-6-1 品質管理手法(7)


ノート:

普通のグラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフやレーダーチャートなど一般的なグラフを指す。 パレート図、ヒストグラム、管理図、散布図以外のグラフは総称して「グラフ」である。

グラフはあらゆる場面で使われ,データの特徴を簡単に掴むことのできる便利なツールである.  (1)情報がより早く読みとれ,深く理解できる.  (2)グラフは問題発見に役立つ.数字だけでは発見できない問題もグラフ化すると発見しやすい.  (3)グラフは内容を強力にアピールし,説得力がある.  (4)相手に興味をもたせることができる.  (5)ソフトウェアを利用すれば,グラフ作成は誰でも簡単に行える.  (6)グラフは記録としても役立つ. といった特徴がある.
●親和図法
-バラバラな情報から、問題点を確定させるための手法-   多数の言語データ、例えば、「夏には製品の故障が多い」「新製品には特に高い品質が求められる。」 「株価がやや下落傾向にある」「冬季のクレームは少なかった」 「今後は高齢者のニーズが大きい」「11月は新製品ラッシュだ」「半導体はダブついている」 など・・思いつくデータを並べて、親和傾向のある言語データ・・・つまりは似たような 分類ができるデータをグループにし、共通な事項や新しい発想を考える。
「夏には製品故障が多い」と「冬季のクレームが少なかった」、「11月は新製品ラッシュだ」を 「夏の品質管理が非常に悪いようだ」 とくくったりする。
さらに、出来上がったグループの中からさらにグループを統合して 抽象化を進めて、企業活動や職域活動の本質を見極めていく方法です。
●連関図法
-解くべき問題の原因を探る手法-   解くべき問題は定まっているが、発生の要因が複雑で絡みあっているとき。 因果関係を明確にして、重要な要因を定めるための手法です。
親和図法と併せて用いられることがあります。   問題点から始まって、その問題を引き起こしている原因は何か?(一次原因)を探ります。 その前には、考えられる原因を沢山挙げておく訳です。
次に、因果関係を探っていき、相互に関連したり、原因の原因を探ったりして 最終的には、最も影響が大きい要因を決定する手法です。
●系統図法(ツリーダイアグラム)
-問題解決のための最適手段を決める-   問題解決という目的に対して、手段・方策をツリー状に展開し、最適手段を系統的に定める手法です。 1個の問題(目的)に対して、手段を幾つか考えます。そしてその手段のための手段を幾つか考えて 行き、最終的に現実レベルで何をするべきかを挙げていくことです。 そのため、1つの問題に対して多くのツリー(手段)がぶら下がる格好になります。 その中から、身近に出来る事項や、特に重点的に行うべき事項を決定します。
●マトリックス図法
-多くの現象相互の関係を整理する-   多くの目的や現象と、多くの手段や要因のそれぞれの対応関係を整理して 行列形式で並べ、相互の関連の程度を整理する手法です。 縦・横の二次元行列(L型マトリクス)の場合、縦に改善項目、横に工程名を挙げていき 印(○や×、△など)を付けていきます。
要因が沢山ある場合は、T型マトリクス、Y型マトリクス、X、P、Y・・・など。 様々にバリエーションがあります。
●アロー・ダイヤグラム法(PERT)
-計画推進のための最適日程を決める方法-   工程順に矢印を引き、最長の日程経路であるクリティカル・パス(Critical Pass)を 定め、クリティカル・パス上の工程を重点的に管理することで、進捗を 効率よく管理する。
●PDPC(Process Decision Program Chart)
-問題が生じたときの対応計画-   過程計画決定図と呼ばれ、通常の日程計画を定めても、問題や不測の事態が 生じた場合の対応を検討しておき。それに沿って行動又は新しい方法を考えるというものです。 例えば、外交や取引など相手方の都合によって状況が変化するもの 災害時などの設備の対応策を考えたりするときに用います。 逐次展開型PDPCと強制連結型PDPCに大きく二分されます。
・逐次展開型は現在の状態から、目標に向かって計画を逐次修正しながら展開するもの。 戦争、研究開発、新市場の開拓などに適しています。
・強制連結型は、初期の状態からあらゆる起こり得る状態を予見する事。 災害や事故の防止に適しています。
●マトリクス・データ解析法
-多数の数値データを整理する方法-  マトリクス(行列)にまとめた多くの数値データを2次元平面状(X-Y平面図のようなもの)に 展開し、主要な問題や原因を分かりやすく定める方法です。