最初のページ 戻る 次へ 最後のページ 目次 テキスト

ノート:


プロジェクト引渡しのプロセス(プラント建設プロジェクトの場合)
プロジェクトの最終段階である引渡しのプロセスである。終わりよければ全て良し、後係りが残らない様、手切れ良く引き渡すことが重要である。
・まず、建設、エンジニアリング系のプロジェクトの場合から始める。完了基準、つまり、何をもって完了とするのかであるが、これは顧客と契約者間の双方の合意(契約)で決められる。プラント建設の場合、「プラントの機械的な完成」、もう物理的に完成している(これをメカニカルコンプリションという)から「性能運転完了」のいずれかで引き渡される場合が多い。「メカニカルコンプリション」では、それだけでは使えるかどうか(プラントとしての性能を満足するか)が分からない。そこで、試運転をして、プラントの性能が満足していることを証明する。引渡しをもって、管理責任を契約者側から今度は顧客の方に引き渡す。それまでの間の管理責任は契約者側が負っている。
また、契約形態によっては、性能試験で所期の性能が満足したことを確認しても、金融期間が認めない場合がある。物理的に引き渡したと言っても、そのプラントから生み出される利益が契約時の値を上回らなければ、財務的に誓約条項を満たしていないと銀行に判断され、経理的な完了(ファイナンシャルコンプリション)に至らないこともある。そのために金融機関との義務履行を引き継ぐことになる。
・ここで重要なのは、引渡しの時期には、メカニカルコンプリション(機械的には完了)で引き渡す場合、性能試験完了で引き渡す場合、ファイナンシャルコンプリション(経理的な完了)で引き渡す場合などがあり、これらは全て契約の条件によるということ。
・この引き渡しは、引き渡す側、つまり契約者側からいうとターンオーバーといえ、引き渡される顧客の側から見ると、テークオーバーという。