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2-3 コミュニケーションを阻害する要因と対策(1/4)
ノート:
(1) コミュニケーションを阻害する要因
⒜ 複雑な重層コミュニケーション経路
プロジェクトマネジメントの実践においては、重層コミュニケーション経路を通して情報が伝達されるため、その伝達過程に介在する人の立場、利害関係によって情報が加工される場合が多い。このため、現場の最前線での実態、状況の変化をいかに正確に把握するかが、コミュニケーションマネジメントの大きな課題である。
⒝ 問題を隠す企業風土
実態が正しく伝達されない背景には、コミュニケーション技術に起因するほか、多くの企業で見られる「問題を隠す企業風土」があげられる。このために、予見先行管理を困難にし、問題が実際に噴出するまで手を打つことができず、また発生した問題点の正確な分析がなされないため、同じ失敗を繰り返す。この企業風土は、プロジェクトマネジメントの障害となり、プロジェクトを失敗に導く深刻な問題を発生させている。
⒞ 情報技術(IT)の活用によるコミュニケーション問題解決
プロジェクトマネジメントの障害となるこのような企業風土は、それぞれの文化的・社会的背景に根強い影響を受けたものである。基本的な問題は、「現場の最前線の実態」を正確に伝達することが従来は難しかった点にあった。し
かし、現在は、最新の情報技術を駆使することにより、リアルタイムで現場の最前線の実態と変化の状況を把握することが可能な環境が整ってきている。このことによって、コミュニケーションを阻害する問題は大幅に解消できると期待される。