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(3) 高低コンテキスト文化における経営組織と運用
異文化を高低コンテキスト文化で分類し、その行動様式を眺めると、すべての異文化が把握できる可能性は高い。低コンテキスト文化では、隙間なく、一人ひとりの役割が明確に示されている。隙間があると、確実に業務上のミスが出てくる。
一方、高コンテキスト文化の企業の階層組織は、部長、課長、係長の一般的な職務分掌は決められているが、曖昧な部分が多い。この曖昧さを補っているのがグリーンエリアという場で、組織の中に存在する。集団の目的、業務遂行の内容を共有する部分があり、集団の目的に不足が生じると、誰かが自発的に分担するという自動調整作用がグリーンエリアの中で発生する。そこには、職業的活動と生きがい活動が存在するのではないだろうか。この場には「曖昧さの中の自由」、「暗黙知の世界」、「自発性というエネルギー発散の場」などの十分に説明できない高コンテキスト文化で暮らす人間の人生観がある。