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3-2 異文化対応能力(1/2)


ノート:

(1) 地域的特有事情の把握
異文化対応能力の1つとして、専門分野に関連する相手国側の地域的特有事情をできるだけ詳細に予備調査し、その実態をよく把握しておくことが重要である。地域的特有事情に対して常に謙虚であり、相手側の既存資料・従来採用されてきた方法、関連諸産業の実態などを詳細に予備調査し、実態に応じた経済的かつ合理的な対応を図ることが重要である。そして、既往の知識で解決で
きない問題に直面した場合でも、一般的な基礎理論、方法、仮説ならびに関連知識を駆使し、現場の実態に適合した代案を着想る能力が要求される。

(2) 異文化対応能力獲得のための有効なプロセス
異文化対応能力の獲得のためには、通常、次のステップを踏む。
◦人々は異文化と接触し、まず表面的に現れている現象の相違に驚かされる。
◦驚きがショックとなる。異文化体験者が一様に体験する「カルチャーショック」である。
◦「カルチャーショック」の後、現状打開のため、相手の文化をよく理解するための行動を起こす。基本的なことは、人々のもつ価値観や通念とその文化的・社会的背景をとらえることである。
◦先方の文化の理解は、必ず自国がもつ文化・習慣との比較で行い、先方の文化・習慣の理解だけでなく、自国の文化・習慣がもつ意味、特徴を理解する。
◦異文化の土地に出かけたときは、先方の文化的背景をよく理解していないと、相手国の社会秩序を乱すことになりなりかねない。