(3) 各文化がもつ価値観とその識別法「異文化への認識」
人々は各自の価値観という指針の中で行動している。この価値観には国や集団別に共有するものと、個人差によるものがある。これを区別する必要はあるが、同じ文化的背景をもつ人々は、普遍的問題に関する価値観にある種の共通性がある。
(4) 個人主義と集団主義
企業の買収、合弁化など、国際的な規模で展開されているが、その際に問題になるのが社会の文化に基づき、国によって「個人主義」か「集団主義」かという相違が見られ、社会活動にさまざまな影響を与えていることである。
(5) 自文化中心主義
人は所属集団(内集団)にアイデンティティ(帰属意識)を感じ、アイデンティティを維持するために、内集団を外集団よりも優位におく傾向がある。内集団を優位に感じ、その価値基準で他の集団・考え方・行動様式を解釈、評価することを自文化中心主義という。
(6) 文化相対主義
世の中にはさまざまな考え方や行動の仕方があり、どれが正しいとも間違っているともいえないというように、「中立的にとらえる」ことを文化相対主義という。もともと人は自文化中心主義だが、異文化に対する感受性が発達するにつれて段階的に違いを認知し、受容する態度が高まり、しだいに文化相対主義へと移行する。文化相対主義の人は、一般的に他人を受け入れ、肯定的な人間関係を築くことができ、異文化適応性者といえる。