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1-2 ライフサイクルマネジメント (3)


ノート:

プロジェクトの目標達成の意味とその内容を理解する。
目標を達成すると言うことは、明確化され可視化された目標達成の基準をクリアーするということ。つまり、プロジェクトには明確化され、可視化された成功の基準が必要となる。可視化というのは目に見えるということでもあるが、要は客観的に判断できるかどうかということになる。ではどうするかというと、成果物で判断するのが一番良い。目標を達成しているかどうかの判断を成果物の品質・内容が仕様を満たしているかどうかで行うのである。
米国におけるライフサイクルマネジメントの状況を確認する。
アメリカの国防総省(DOD)や航空宇宙局(NASA)などでは、フェーズ毎に成果物を定義して必ず提出するように義務付けている。さらに航空機製造業や石油・ケミカルメジャーにおいても、それぞれの企業ごとに実情に合致したライフサイクルマネジメントの規定を作成し、目標達成を判断している。
ライフサイクルマネジメント規定とは何か、どのように使うかを理解する。
ライフサイクルマネジメント規定とは、どのようにライフサイクルを捉え、それぞれでどのようなことをするのか、何を作り出すのか、目標達成の基準は何か、誰がどう承認するのか等を含むもので、プロジェクトの実行や決断に利用されている。
プロジェクトの実行上の決断に使うということは、目標達成状況によって、プロジェクトの拡大、継続、縮小、中断を判断することを意味している。今、手がけているプロジェクトを進めることが会社にとって利益に結びつくかどうか、ここで打ち切った方が会社にとって良いという場合もある。プロジェクトが生み出す利益が見込めなければ、その段階で止めるという判断も出てくることになる。
また、ライフサイクルマネジメント規定を設けて、ライフサイクルをマネジメントすることは投資効果の査定、リスク管理にも役立つ。プロジェクトというのは成果物を作り出すことが最終目的であるが、企業活動の根本として、やはりその先にあるもの、すなわちプロジェクトの成果が利益を生み出すまでを視野に入れていくことが重要である。