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1-1-3 プロジェクトのライフサイクルから見た特徴
ノート:
プロジェクトのライフサイクルの特徴を理解する。
プロジェクトは時間の経過とともに、徐々に詳細事項が決まるという性格を有している。言われてみれば当たり前のことであるが、普段意識していないことが多い。すなわち、プロジェクトの初期段階では、なかなか先の詳細まで見えないということを認識することはとても重要なことである。
時間の経過、すなわちフェーズが進むに従って、仕様・品質・コスト・スケジュールに関して不確実性は減少してくる。これは、プロジェクトの詳細が決まって行くことで、具体的な作業が実施できるようになってくることを意味し、具体的には、定常的な業務が増えてくることである。
ところが、プロジェクトがある程度進行してから、過去の決定事項に変更が起きると、プロジェクトへのインパクトが大きくなる。仕様作成段階で決定された事項が実際の製造段階でひっくり返されると、非常に大きな手戻りが発生するということは誰もが簡単に理解できることである。このような事態を起こさないために、初期にプロジェクトの項目を可能な限り決めておき、コストダウンや投資効率向上を目指す活動が、プレプロジェクトプランニングと呼ばれるものである。同じ変更が起きるなら早い内に起きたほうがインパクトは少ない。設計変更は、設計を行っている間に起きれば図面を直すだけで済むが、製作中では既に原材料を調達してしまっているかもしれないし、途中まで旧仕様で作成したものを取り壊して、はじめから作り直さなければいけないかもしれない。このようなことを減らすために行われるのがプレプロジェクトプランニングである。
今までのようなことを踏まえてプロジェクトのライフサイクルをマネジメントしていく必要がある。