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ノート:


コストマネジメントは、コストエンジニアリングの概念を用いて実践する。コストを科学的原理や技法を活用してマネジメントすると考えればよく、更に言えば今日ではほとんど当たり前になっていることである。
コストすなわち資源を確保して作業を実施するために必要なお金は、それぞれの要素について数量、単価、効率を掛け合わせたものを合計した額になる。数量とは見積結果のボリュームを指し、単価は単位あたりの価格である。ただし価格は常に一定ではなく、ロットファクター、為替レート、経済環境(インフレ率等)により変わる。ボリュームディスカウントというものもある。実際の仕事の現場では、これらのファクターをすべて考慮した上でのコスト計算を行うケースはあまりないかもしれない。業界業種にもよるだろうが、製造業の開発プロジェクトやIT系のソフトウェア開発プロジェクトでは、資材を調達する場合にはプロジェクトの中では定価でコストを算出し、全社の購買部門が一括購買等を活用しつつ価格の調整、交渉によってより安く調達するということが行われているケースが多い。一方で建設やエンジニアリング業界では、一つのプロジェクトが非常に大きく調達する資材もプロジェクト単位で購買するケースが多いことからこれらのファクターも考慮した上での見積が行われる。
コストの効率とは、生産性のことである。労働者の生産性と設備の生産効率が挙げられるが、これまでに類似のプロジェクトを経験したことがあるかどうかで生産性は大きく異なる。勝手が分かっていれば効率的に作業をし、設備を生かすことができるが、全く経験のない状態では計画通りにプロジェクトが進まないことも多く、生産性は低くなってしまう。
このようなことも踏まえ、コストは数量、単価、効率からなると考えられるのである。