上図の場合では、工程4が制約条件となりアウトプットはこの工程の能力で決定づけられていますので、それ以上の投入をしてもアウトプットを増加させることはできません。工程4の能力に合わせた(ドラム)投入指示(ロープ)、工程4を100%稼動させるために前工程の生産のバラツキ(ゆらぎ)による影響から工程4を保護するための余裕(バッファー)を考慮した生産計画を立案していきます。スループットの項目でも説明しましたが、アウトプットを決定している制約条件工程以外の設備の稼働率を上げ、作業者はひたすら働き続けた場合には、能力差は全て仕掛となり工程内に滞留してしまうのです。制約条件工程は稼働率100%を目標とし、他の工程は仕事が来たらすぐやるという考え方に徹します。
TOCではラインバランスが100%とれた状態を目的とするのではなく、工程の流れをスムーズにすることが目的であり、流れを同期させること、管理を単純にすることを目的とします。それが制約条件にスポットをあてた生産管理手法「DBR」であり、必要最小限の管理で在庫・仕掛を減らしながらスループットの増大=アウトプットの最大化を実現させます。