①プロジェクトにおける品質マネジメントとは、顧客の明示的および暗示的な要求事項を的確に把握し、その要求事項を満足する製品・サービスを経済的に作りだし、顧客満足を獲得するプロセス
品質マネジメントは、プロジェクト目標マネジメントの重要な機能の一つである。品質マネジメントの拙さがプロジェクトの成否に大きく影響する。品質マネジメントの不備は、プロジェクトコストの超過やスケジュールの遅れを引き起こす重要な要因となる。品質マネジメントの認識不足による品質の悪さは、プロジェクトの下流側における後戻り作業を発生させ、納期遅延とコスト超過をもたらす要因となる。ひいては顧客満足も得ることが出来なくなる。
まず、契約書や仕様書に記載された顧客の要求事項や暗黙の了解事項を的確に把握し、プロジェクトの目標品質とその達成方法を計画することが大切である。また、顧客満足を高めるためには、プロジェクトの最終成果物の品質だけでなく、プロジェクトマネジメントのそのものの品質保証も重要である。
②品質とは、
品質とはモノの質のこと。モノとは形のあるもの(製品など)と形の無いもの(サービスなど)とがあるが、ISOではこの両方を品質の対象としている。品質とはモノが持っている特長、特質、期待される性質(備わっている特性)の総称である。
例えば鉛筆。濃さ・硬さなどの性質がある。HB ならば紙に書いてあの程度の硬さでかけるし、3B ならばあの程度の柔らかさで書けるといったイメージを思い浮かべることができる。そのイメージこそが品質なのだ。 HB が良いとか3B が悪いとか言うことではない。
③品質とグレードの違い
飛行機のファーストクラスとエコノミークラスは、グレードの違いであり、同じエコノミークラスでも航空会社の違いによる座席の広さ、サービスの良し悪しは品質の問題である。
すなわち、品質の良し悪しは、同一の要求事項のもとでの議論であり、グレードの違いは、要求事項そのものが異なると言える。