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ISO/IEC 27001とPDCAサイクルでISMSを運用する

概要

  • 日程: Day 01 / セッション 03
  • 時間: [9:40-10:10]
  • 形式: 座学 & 実習
  • ゴール: ISO/IEC 27001の概要とPDCAサイクルを理解し、その意義を説明できる
  • 学習形式: 対話型解説、AIディスカッション

導入(5分)

前セッションでは、情報セキュリティの基本となる「機密性」「完全性」「可用性」(CIA)について学びました。これらの要素を組織としてどのように守り、維持していくのか。そのための国際的な「ものさし」となるのが「ISO/IEC 27001」という国際規格です。このセッションでは、このISO/IEC 27001の概要と、ISMSを継続的に改善していくための「PDCAサイクル」について学びます。このセッションが終わる頃には、ISMSが一度作ったら終わりではなく、常に改善し続ける「生き物」のようなものであることを理解できるでしょう。

本編(15分)

1. ISO/IEC 27001の概要とISMS認証制度の仕組み

ISO/IEC 27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格です。この規格は、組織が情報セキュリティを効果的に管理するための要件を定めています。

  • ISMS認証制度: ISO/IEC 27001に基づいてISMSを構築し、運用していることを第三者機関が審査し、適合していると認められた場合に与えられるのが「ISMS認証」です。
    • 認証の目的と意義:
      • 顧客や取引先からの信頼獲得: 「この会社は情報セキュリティをちゃんとやっている」という証拠になります。
      • 情報セキュリティリスクの低減: 規格に沿って管理することで、体系的にリスクを低減できます。
      • 法的・規制要求事項への適合: 法令遵守の体制が整っていることを示せます。
    • たとえば、ISO/IEC 27001認証を取得している企業は、情報セキュリティに対する意識が高く、仕組みが整っているため、重要な情報を安心して預けられる、というイメージを持つことができます。
    • しかし、認証を取得していれば絶対に情報漏洩しない、というわけではありません。認証は「仕組みが整っている」ことを示すものであり、その仕組みが適切に運用されているかどうかが重要です。

2. PDCAサイクルによる継続的改善

ISMSは、一度構築したら終わりではありません。情報セキュリティを取り巻く環境は常に変化するため、ISMSも継続的に見直し、改善していく必要があります。そのためのフレームワークが「PDCAサイクル」です。

graph LR A(Plan: 計画) --> B(Do: 実行) B --> C(Check: 点検・評価) C --> D(Act: 改善) D --> A

図:PDCAサイクル

  • Plan(計画): 情報セキュリティの方針や目標を定め、リスクアセスメントを行い、具体的な対策計画を立てます。
    • たとえ話: 旅行の計画を立てるようなものです。どこへ行くか、何をするか、予算はどれくらいか、危険はないか、などを考えます。
  • Do(実行): 計画に基づいて、情報セキュリティ対策を実行します。従業員への教育や、システムの導入、ルールの適用などを行います。
    • たとえ話: 計画通りに旅行を実行するようなものです。飛行機に乗ったり、ホテルにチェックインしたり、観光したりします。
  • Check(点検・評価): 実行した対策が計画通りに進んでいるか、効果が出ているかを点検・評価します。内部監査や外部監査などもこの段階で行われます。
    • たとえ話: 旅行中に「計画通りに進んでいるか?」「問題はないか?」と確認するようなものです。
  • Act(改善): 点検・評価の結果に基づいて、改善策を検討し、次期の計画に反映させます。
    • たとえ話: 旅行から帰ってきて「もっとこうすればよかった」「次回の旅行ではこうしよう」と反省し、次回の旅行計画に活かすようなものです。

ここがポイント

PDCAサイクルを回すことで、ISMSは常に最新の情報セキュリティリスクに対応し、組織のセキュリティレベルを維持・向上させることができます。従業員一人ひとりがこのサイクルの重要性を理解し、日々の業務の中で情報セキュリティに関する改善点を発見し、提案することが重要です。

コラム

PDCAサイクルは、もともと品質管理の分野で生まれた概念ですが、その汎用性の高さから情報セキュリティに限らず、様々なマネジメントシステムに応用されています。まるで、どんな料理にも使える万能な調理器具のようなもので、使いこなせばあらゆる分野で効果を発揮するのです。

💬 AIに聞いてみよう

ここまでの内容で疑問があれば、AIに質問してみましょう。たとえば:

  • 「ISO/IEC 27001認証を取得するデメリットはある?」
  • 「PDCAサイクルは情報セキュリティ以外にどんな場面で使えるの?」
  • 「Check(点検・評価)の段階で、具体的に何をするのか、もっと詳しく知りたい」

実習・演習(10分)

課題

  1. PDCAサイクル応用ケーススタディ: あなたの所属部署で、情報セキュリティに関する課題(例: 紙媒体の重要書類の管理方法、共有ファイルへのアクセス権限の運用など、身近なもので構いません)を一つ特定してください。その課題に対して、PDCAサイクルの各フェーズ(Plan, Do, Check, Act)で具体的にどのような活動ができるかを、AIとディスカッションしながら考えてみてください。
  2. ISO/IEC 27001の意義を説明する: あなたが新しく入社してきた同僚に、ISO/IEC 27001の認証が会社にとってどのような「意義」があるのかを、簡潔に説明してください。(AIに対して、同僚になったつもりで質問を投げかけ、それに答える形で進めてみましょう。)

成果物

  • 課題1のPDCAサイクルへの応用案(各フェーズで2つ以上の活動を記述)
  • 課題2のISO/IEC 27001の意義に関する説明(質問と回答の形式で記述)

ヒント

  • 課題1では、AIに「PDCAサイクルの各フェーズで、情報セキュリティに関する課題を解決するための具体例を挙げてほしい」と問いかけると良いでしょう。
  • 課題2では、相手の理解度に合わせて、専門用語を避けつつ分かりやすい言葉で説明することを意識しましょう。

まとめ(0分)

本セッションでは、ISMSの国際規格であるISO/IEC 27001の概要と、ISMSを継続的に改善していくためのPDCAサイクルについて学びました。ISMSは「作って終わり」ではなく、常に変化する脅威に対応し、より強固な情報セキュリティ体制を築き続けるための「継続的な取り組み」であることを理解できたでしょう。PDCAサイクルを意識することで、日々の業務の中からも改善の機会を見つけられるようになります。

🔄 振り返りチェック

以下の問いに答えられるか確認してみましょう:

  • ISO/IEC 27001認証が会社にどのようなメリットをもたらすか、3つ以上説明できますか?
  • PDCAサイクルの各フェーズ(Plan, Do, Check, Act)で、情報セキュリティ活動において具体的に何を行うか説明できますか?
  • ISMSを継続的に改善することの重要性を説明できますか?

答えに自信がない場合は、該当部分を読み返すか、AIに質問してみてください。

補足資料

  • 参考リンク: ISO27001(ISMS)認証の取得支援サービス|取得のメリット、審査費用の相場など|LRM株式会社 (https://lrm.jp/security/isms/)

学習ガイド

想定される質問と回答例

質問 ヒント
ISO/IEC 27001認証を取得するデメリットはある? 認証取得や維持には費用と手間がかかります。また、運用を間違えると形骸化するリスクもあります。
PDCAサイクルは情報セキュリティ以外にどんな場面で使えるの? 業務改善、品質管理、プロジェクト管理、個人の学習計画など、目標達成と継続的改善を目指すあらゆる場面で応用できます。

つまずきやすいポイント

つまずきポイント ヒント
PDCAサイクルを「一回やれば終わり」と捉える PDCAは「サイクル」であり、継続的に回し続けることに意味があります。一度きりのイベントではなく、日々の業務に組み込む意識を持ちましょう。
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