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プレゼン資料の作成

概要

  • 日程: Day 19 / セッション 2
  • 時間: [9:55-11:00]
  • 形式: 実習
  • ゴール: アウトラインに沿って、制限時間内に収まる枚数のプレゼン資料を作成できる
  • 学習形式: ハンズオン実習(AIサポートあり)

導入(5分)

設計図(アウトライン)はできています。武器(高橋メソッド・もんたメソッド)も手に入れました。このセッションで、いよいよプレゼン資料を形にします。

ここで問いかけです。
「85分でスライド一式を作る。1人で全部作るのと、チームで分担するの、どちらが速いでしょうか?」

「分担」と答えたくなりますが、実は条件付きです。分担して速くなるのは、設計図が共有されているときだけ。設計図なしで分担すると、デザインも口調もバラバラのスライドが出来上がり、つなぎ直しに余計な時間がかかります。

みなさんには昨日作ったアウトラインがあります。つまり分担の条件は整っています。これは Day 11〜17 の実装と同じ構図です。設計書(アウトライン)があるから並行作業ができ、最後に結合(トーン合わせ)する。プレゼン作りも小さなチーム開発なのです。

本編(10分)

1. 作成の進め方〜分担して作り、最後にトーンを揃える

進め方は3段階です。

flowchart LR A["分担を決める
アウトラインを割り当て"] --> B["並行して作る
1スライド1メッセージ"] B --> C["結合して揃える
トーン・デザイン統一"]

1. 分担を決める: アウトラインのスライドを担当者に割り当てます。「パート単位」(課題パートはAさん、デモパートはBさん)で分けると、文脈が切れずに作れます。

2. 並行して作る: 各自がアウトラインの「1文メッセージ」をスライドにします。このとき守るのは次の3つだけです。

  • 1スライド1メッセージ(メッセージはアウトライン通り)
  • 文字は減らす、大きくする(高橋メソッドの精神)
  • 凝った装飾は後回し。まず全スライドを埋める

3. 結合して揃える: 最後の20分で全員のスライドを結合し、トーン(フォント・配色・口調・見出しの粒度)を揃えます。

「まず全部を埋めてから磨く」のは、Day 10 のプロトタイプで学んだ「見た目の作り込みは後回しにし、まず全画面の枠を揃える」と同じ考え方です。1枚目に60分かけて残りが白紙、が最悪のパターンです。

ここがポイント

  • 分担の前提は共有された設計図(アウトライン)。アウトラインから勝手に変えない。変えたくなったらチームに報告して調整する(Day 1 からのルール)
  • 完璧な1枚より、揃った全部。先に全スライドを埋める
  • よくある間違い: 装飾(アニメーション・イラスト探し)に時間を溶かす。正しくは「メッセージ→図→装飾」の優先順位

コラム

プロのデザイン業界には「Done is better than perfect(完璧であるより終わらせろ)」という言葉があります。Facebook(現Meta)のオフィスの壁に貼られていたことで有名です。一方、日本の広告業界には「神は細部に宿る」という逆向きの格言もあります。矛盾しているようですが、実は順番の話です。まず全体を終わらせ、残った時間で細部に神を宿らせる。今日の85分も、この順番でいきましょう。

2. デモの組み込みとスライドの役割分担

みなさんの発表の主役は、22日間かけて作った動く製品です。スライドはデモを引き立てる脇役と考えましょう。

デモを組み込むときのポイントです。

  • プロットで決めたデモ位置に「デモ」というスライドを1枚置く(切り替えの合図になる)
  • デモで見せる操作は「ペルソナのゴールまでの最短経路」に絞る(全機能ツアーは該当しません。聴衆が覚えられないからです)
  • デモが失敗したときの保険として、スクリーンショットを撮ってスライドの末尾(補足)に入れておく

また、制限時間と枚数の関係を常に意識します。目安は「通常スライド1枚=30秒〜1分、高橋メソッドのスライド=数秒」。発表時間が5分なら、通常スライド換算で5〜8枚程度が上限です。

ここがポイント

  • スライドは脇役、デモ(製品)が主役。デモへの導線を設計する
  • デモの保険(スクリーンショット・動画)を今日のうちに用意する
  • つまずきやすい点: 枚数オーバーに気づかず作り続ける。途中で一度「メッセージ読み上げ計測」をする

コラム

デモの失敗は世界的大企業でも起きます。有名なのは1998年、Microsoft のビル・ゲイツが Windows 98 のデモ中に、衆人環視のもとでブルースクリーン(システムクラッシュ)に遭遇した事件です。会場は爆笑、ゲイツは「これがまだ出荷しない理由です」と切り返しました。教訓は2つ。デモは本番で壊れるものとして保険を用意すること。そして万一壊れたら、ユーモアと誠実さで切り返すこと。準備と度胸はセットです。

💬 AIに聞いてみよう

実習の前に、疑問があればAIに質問してみましょう。たとえば:

  • 「スライドの配色やフォントサイズの基本ルールを教えて」
  • 「このメッセージ(文章を貼る)を高橋メソッド用に短くして」
  • 「デモパートの構成案を考えて。製品は〜で、見せたい操作は〜」

実習・演習(70分)

課題

チームで以下の手順を実施し、プレゼン資料を完成させてください。

ステップ1: 分担とルール決め(10分)

  1. 昨日のアウトラインを開き、スライドをパート単位で担当者に割り当てる
  2. 共通ルールを3つだけ決める(例: フォントと最小サイズ/配色(基本2色+強調1色)/「です・ます」調)
  3. 高橋メソッド・もんたメソッドを使う箇所をアウトライン上でマークする(もんたメソッドは1〜3箇所)
  4. デモのタイミングと操作シナリオ、保険(スクリーンショット)の担当を決める

ステップ2: 並行作成(40分)

  1. 各自、担当スライドを作成する。アウトラインの「1文メッセージ」を必ずスライドに反映する
  2. 文字を減らす作業はAIに手伝ってもらう。プロンプト例:
スライドの文言を高橋メソッド風にしたいです。
元の文章: 「(長い文章)」
15文字以内の案を5つ出してください。
  1. 30分経過時点で一度全員のスライドを結合し、抜け・重複を確認する
  2. デモ担当はスクリーンショットを撮影し、補足スライドに配置する

ステップ3: 結合とトーン合わせ(20分)

  1. 全スライドを1つのファイルに結合する
  2. フォント・配色・見出しの粒度・口調を共通ルールに揃える
  3. 最初から最後までスライドを送りながらメッセージを読み上げ、時間を計測する
  4. 制限時間を超える場合は、「削っても伝えたいことが崩れないスライド」から削る
  5. AIに「このスライド構成(見出し一覧を貼る)で改善点は?」と最終レビューを依頼する

成果物

  • プレゼン資料(一式): アウトラインに沿った、制限時間内に収まる枚数のスライド。デモの組み込み位置とデモ失敗時の保険(スクリーンショット)を含む。次セッションの発表練習でそのまま使用する

ヒント

  • 1枚に時間をかけすぎていると感じたら「Done is better than perfect」。とにかく全枚数を埋めてから戻りましょう
  • 図やスクリーンショットで説明できる箇所は、文章より図を優先。「百聞は一見にしかず」はスライドの鉄則です
  • もんたメソッドの「隠す」は、空欄版と表示版の2枚スライド方式が簡単で事故が少ないです
  • 時間が足りなくなったら、装飾を捨ててメッセージを守る。聴衆が持ち帰るのはデザインではなくメッセージです
  • AIに画像の構図やアイコンの探し方を相談するのも有効です。「〜を表現する無料アイコンの探し方は?」

まとめ(5分)

今回学んだことを一言でまとめると、**「共有された設計図のもとで分担して作り、最後にトーンを揃える。スライドは主役のデモを引き立てる脇役」**です。

  • アウトライン通りに、1スライド1メッセージで作る
  • まず全部埋める、磨くのはその後
  • デモの保険(スクリーンショット)を必ず用意する

次のセッションでは、完成した資料を使ってプレゼン練習と想定問答の準備を行います。資料は完成して半分、口から出て初めて完成です。

🔄 振り返りチェック

以下の問いに答えられるか確認してみましょう:

  • なぜ「分担」にはアウトラインの共有が前提なのですか?
  • 「まず全スライドを埋める」のはなぜですか?
  • 自チームの資料で、高橋メソッド・もんたメソッドを使った箇所はどこですか?
  • デモが失敗したときの保険は何を用意しましたか?

答えに自信がない場合は、該当部分を読み返すか、AIに質問してみてください。

補足資料

  • 参考リンク: 「プレゼン スライド デザイン 基本」「1スライド1メッセージ」で検索してみましょう
  • 発展課題: 完成した資料から「もし発表時間が半分になったら残す枚数」を選んでみましょう。本当に大事なメッセージが見えてきます

学習ガイド

このセクションは、受講者が理解を深めることをサポートする参考情報です。

想定される質問と回答例

質問 ヒント
アウトラインを変えたくなったらどうする? 勝手に変えず、チームに報告して合意してから変更する(合意した内容の変更は事前に報告して調整、のルール)。アウトラインは全員の前提なので無断変更は結合時の事故になる
スライドのデザインに自信がない 凝らないことが最大のデザイン。フォント1種・色2+1・余白多め、で十分プロっぽくなる
AIにスライドを丸ごと作ってもらっていい? 文言の圧縮や構成レビューには活用してよいが、メッセージの決定と最終判断はチームで。自分たちの言葉でないスライドは発表で噛む
枚数が制限時間に収まっているか分からない 「メッセージ読み上げ計測」をする。高橋メソッドの枚数は数秒/枚で換算する

つまずきやすいポイント

つまずきポイント ヒント
装飾・素材探しで時間が溶ける ステップ2の30分チェックポイントで進捗を見える化する。白紙スライドが残っていたら装飾は禁止
結合したらデザインがバラバラ ステップ1の共通ルール3つを最初に文字で書いて共有する。口頭の申し合わせは必ずズレる
文字を減らすと不安で結局増やしてしまう 削った詳細は「発表者用メモ」に書けばよい。スライドから消えても発表からは消えない
デモの保険を後回しにして忘れる ステップ1で保険担当を決めてしまう。スクリーンショットは5分で撮れるが、本番では取り返せない
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