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中間発表〜進捗報告と課題共有

概要

  • 日程: Day 14 / セッション 3
  • 時間: [11:10-12:20]
  • 形式: 演習
  • ゴール: チームごとに進捗とデモを発表し、他チームから課題への助言を1件以上得られる
  • 学習形式: プレゼンテーション、AIディスカッション

導入(5分)

いよいよ中間発表です。準備した資料とデモで、現在地を共有しましょう。

発表前に、聞き手としての心構えも確認します。
「他チームの発表を聞くとき、あなたは何を持ち帰れるでしょうか?」

中間発表は「自チームが助言をもらう場」であると同時に、「他チームの工夫と失敗から学ぶ場」です。発表時間は自チームの何倍もの時間を聞き手として過ごします。聞き方しだいで、持ち帰れる量が大きく変わります。

  • 持ち帰れるものの例: 進め方の工夫、ハマったエラーと解決法、デモの見せ方、自チームにも効く助言
  • 聞き手の仕事: 良い点をメモする、使えるアイデアをメモする、質問を最低1つする

本編(10分)

1. 発表の進め方と聞き手の作法

各チームの持ち時間は「発表+質疑応答」のセットです。当日の案内に従い、たとえば4チームなら発表7分+質疑5分が目安です。

発表の流れ:

flowchart LR A["テーマ紹介
(1分)"] --> B["進捗報告
(数字で)"] B --> C["デモ
(動くもの)"] C --> D["課題と相談
(質問形で)"] D --> E["質疑応答
(助言をメモ)"]

発表側の鉄則:

  • 進捗は数字で言い切る(完了タスク/全タスク、計画との差)
  • デモは決めたシナリオ通りに。失敗したら保険(スクリーンショット等)に切り替えて続行する
  • 課題は「状況+聞きたいこと」を読み上げ、会場に問いを投げる
  • もらった助言は、その場で評価せずすべてメモする(採否は終会で決める)

聞き手側の鉄則:

  • 各チームの発表で「良い点」「自チームに使えるアイデア」をメモする
  • 質問を最低1つする。質問は発表者への貢献であり、自分の理解の確認でもある
  • 助言するときはコードレビューと同じ作法で。「成果物への提案+理由」、人格への評価はしない

ここで考えてみてください。
「『すごいですね』という感想と、『その検索機能はデータが増えても速度は大丈夫ですか?』という質問。発表チームの役に立つのはどちらでしょうか?」

後者です。感想は嬉しいですが、質問は発表チームが気づいていない観点を提供します。良い質問は最高の贈り物です。

ここがポイント

  • 持ち時間厳守。時間が来たら途中でも質疑に移る(時間管理も発表の一部)
  • 質疑で答えられない質問は「持ち帰って確認します」でよい。その場でごまかさない
  • 他チームへの助言は「自分たちも同じ問題で困ったか」を思い出すと具体的になる

コラム

進捗を定期的に見せ合って軌道修正するやり方は、アジャイル開発の「スプリントレビュー」として世界中で実践されています。その原型のひとつは、1986年に野中郁次郎と竹内弘高が発表した論文「The New New Product Development Game」。日本メーカーの製品開発チームが、ラグビーのように全員で球を運ぶ様子を分析したものです。スクラム(Scrum)という名前はこのラグビーの比喩から生まれました。みなさんが今日やっている中間発表は、世界標準の開発プラクティスの実践そのものなのです。

2. AIを「もう一人の聴衆」にする

発表で得た助言は人間からだけではありません。発表の後(または終会で)、AIにも発表内容をぶつけてみましょう。

  • 「うちのチームの進捗はこう(数字)。残り実働3日で完成させる計画の弱点を指摘して」
  • 「中間発表でこんな助言をもらった。技術的に妥当か、他の選択肢はあるか教えて」
  • 「他チームから『〜』と質問されて答えられなかった。どう調べればいい?」

人間の聴衆は文脈と経験から、AIは網羅性と知識から助言をくれます。両方を集めると、終会での計画見直しの材料が揃います。

ここがポイント

  • 質疑のメモは「誰が・何を言ったか」まで残す。終会でタスク化するときの根拠になる
  • AIへの相談は具体的な数字・状況を渡すほど、助言の質が上がる

コラム

「人前で話すのは死ぬより怖い」という調査結果がよくネタにされます。コメディアンのジェリー・サインフェルドは「つまり葬式では、棺に入るより弔辞を読む方が嫌だということだ」と笑いにしました。緊張は誰でもします。実は緊張は「うまくやりたい」という真剣さの証拠で、適度な緊張はパフォーマンスを上げることが心理学で知られています(ヤーキーズ・ドットソンの法則)。深呼吸して、数字とデモに語らせましょう。

💬 AIに聞いてみよう

発表の前後で、AIに相談してみましょう。たとえば:

  • 「発表直前で緊張している。1分でできる落ち着く方法は?」
  • 「他チームに良い質問をしたい。進捗発表を聞くときの質問の観点を5つ教えて」
  • 「デモが失敗したときのスマートな切り返し方は?」

実習・演習(45分)

課題

チームごとに発表と質疑応答を行います。

  1. 発表(各チーム・持ち時間内)
    • 準備した資料に沿って、進捗(数字)→デモ→課題と相談事項の順で発表する
    • 役割分担どおりに進め、時間を守る
  2. 質疑応答
    • 会場からの質問・助言に対応する。答えられないものは持ち帰りを宣言する
    • 記録担当は助言・質問をすべてメモする(フィードバックメモ)
  3. 聞き手として(他チームの発表中)
    • 良い点・自チームに使えるアイデアをメモする
    • 1人あたり質問を最低1つする(全発表を通じてでよい)
  4. 発表後
    • もらった助言のメモをチームで突き合わせ、漏れを補完する(終会の入力になる)

成果物

  • 中間発表の実施(進捗報告+デモ+課題共有)
  • フィードバックメモ(もらった助言・質問の一覧。発言者と内容)
  • 他チームから学んだアイデアのメモ

ヒント

  • 発表の出だしは「チーム名・テーマ・今日伝えること」の3点から入ると落ち着けます
  • デモ操作とトークは別の人が担当すると、トラブル時にも進行が止まりません
  • 質問が思いつかないときの型: 「一番大変だったことは?」「〜はどう実現しているの?」「データが増えたらどうなる?」
  • メモは綺麗に書かなくてよい。発言の単語だけでも残せば終会で復元できます

まとめ(5分)

今回学んだことを一言でまとめると、**「中間発表は評価の場ではなく、数字と動くものを見せて知恵を集める場」**です。

  • 進捗は数字で、課題は質問形で共有できたか
  • もらった助言はすべてメモに残したか
  • 他チームの発表から使えるアイデアを持ち帰れたか

次回(本日セッション4)は終会です。集めたフィードバックをかんばんのタスクに変換し、残り期間の計画を見直します。

🔄 振り返りチェック

以下の問いに答えられるか確認してみましょう:

  • 自チームがもらった助言を3つ挙げられますか?
  • 他チームの発表から「自チームに使えるアイデア」を1つ言えますか?
  • 自分は質問を1つ以上しましたか? それはどんな観点でしたか?

答えに自信がない場合は、フィードバックメモを見返すか、チームで共有し直してみてください。

補足資料

  • 参考リンク: 「スプリントレビュー 進め方」「質疑応答 コツ」で検索
  • 発展課題: 自チームの発表を録画・録音していたら見直し、Day 21の成果発表会に向けた改善点をAIと一緒に1つ見つけましょう

学習ガイド

このセクションは、受講者が理解を深めることをサポートする参考情報です。

想定される質問と回答例

質問 ヒント
デモが本番で動かなくなったら? 保険(スクリーンショット・録画)に切り替えて説明を続ける。直そうとして沈黙するのが一番もったいない
厳しい指摘をもらって落ち込む 指摘は製品への情報であり人格評価ではない。Day 13のコードレビューと同じ。むしろ無反応より価値がある
質問が他の人とかぶってしまう 「先ほどの質問に関連して」と深掘りすればよい。同じ観点が2回出ること自体が重要度のシグナル
助言が多すぎて混乱する この場では全部メモするだけでよい。取捨選択は終会でやると決めておく

つまずきやすいポイント

つまずきポイント ヒント
発表が時間超過する 1枚1分の目安で進め、タイムキーパーが残り時間を合図する。デモが長引いたら見せ場だけに絞る
質疑で沈黙が続く 発表側から「特に〜について意見がほしい」と水を向ける。課題スライドの質問文を再提示する
助言をその場で「できません」と却下する まず「ありがとうございます」と受け取りメモする。採否の判断は終会で、価値と残り時間で行う
聞き手がメモを取らず聞き流す 「良い点・使えるアイデア・質問」の3欄を先に作ってから聞くと手が動く
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