審査・講評
概要
- 日程: Day 21 / セッション 4
- 時間: 12:10-12:40(30分)
- 形式: 演習(対話型解説)
- ゴール:
- 行動: 審査結果と講評を聞き、自チームの良かった点と改善点をメモに残す
- 条件: 他チームへの講評も自分ごととして聞いて
- 基準: 自チームの講評を3項目以上、他チームの講評からの学びを2項目以上記録する
- 学習形式: 対話型解説
導入(5分)
22日間の最後の山場、講評の時間です。
ここで皆さんに大事な視点を1つ。講評は順位発表ではなく、学びの収穫祭です。
順位は結果。結果は変えられません。一方、講評の中身は皆さんのこれからの仕事の指針になります。順位の高低に一喜一憂するより、講評の言葉を1つでも多く心に残してください。
特に大切なのは「他チームへの講評も自分ごととして聞く」こと。なぜなら、他チームに対する指摘の多くは、明日の自分にもそのまま当てはまるからです。
本編(15分)
1. 講評の聴き方〜「事実」と「解釈」を分ける
講評メモは、後で自分の血肉にするための投資です。聴きながら次の3つに分けてメモしましょう。
講師が実際に言ったこと"] A --> C["2. 解釈
自分はどう受け取ったか"] A --> D["3. 行動
次にどう活かすか"]
| 区分 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 1. 事実 | 講師の発言そのまま | 「ペルソナの解像度が高かった」 |
| 2. 解釈 | 自分の理解 | 「インタビュー演習が効いたのでは」 |
| 3. 行動 | 次への活かし方 | 「次回はインタビューを早期に組み込む」 |
コード例・実例
メモテンプレ:
[自チーム講評]
事実: 「デモが価値を伝えていた」
解釈: ペルソナ一人称で語ったのが効いた
行動: 業務でもデモは「ユーザー視点で語る」を徹底
[自チーム講評]
事実: 「時間配分の最後が早口だった」
解釈: 終盤のスライド枚数が多かった
行動: 次回は終盤こそ枚数を減らす
[他チーム講評→自分ごと化]
事実: 「Aチームはエラー処理の説明が薄い」
解釈: 自チームも実は同じ弱点がある
行動: エラー時の挙動も発表で必ず触れる
ここがポイント
「事実」と「解釈」を分けないと、講師が言っていないことまで「言われた」と記憶することがあります。これは仕事の現場でも同じ。事実とその解釈を分けて記録する習慣は一生使えます。
コラム
組織開発の世界で「Listen with intent(意図を持って聴く)」という言葉があります。
「いつか自分の仕事に活かす」という意図を持って聴くと、同じ話でも引き出せる情報量が3倍になります。
講評を「他チームへのお説教」として聞くか、「未来の自分へのプレゼント」として聞くか——皆さんの選択です。
2. 他チームへの講評を「自分ごと化」する技術
他チームに対する「○○がよかった」「△△が改善点」を、自チームに置き換えて考えます。
問いの例:
| 講評の言葉 | 自分ごと化の問い |
|---|---|
| 「キャッチフレーズが秀逸」 | 私たちのキャッチフレーズは伝わったか? |
| 「課題の解像度が低い」 | 私たちは自分たちの課題を本当にわかっているか? |
| 「デモが機能紹介になっていた」 | 私たちのデモも機能紹介で終わっていなかったか? |
| 「時間オーバー」 | 私たちは時間に対する備えが十分だったか? |
この問いを心に持って聴くだけで、講評の価値が10倍になります。
3. 講評を受け取る心構え
| やってよい | やってはいけない |
|---|---|
| 改善点を素直に書き留める | 反論したくなる気持ちを表に出す |
| 「なるほど」と頷く | 隣と顔を見合わせて苦笑する |
| 他チームの成果も拍手する | 自チームの順位ばかり気にする |
| 質問があれば後で聞く | その場で長い反論をする |
講評は「贈り物」。包装紙が気に入らなくても、中身を取り出して使うのが大人の作法です。
💬 AIに聞いてみよう
セッション後、メモを整理する時にAIを活用:
- 「(メモを貼って)事実・解釈・行動の3区分に整理して」
- 「(他チーム講評を貼って)自分ごと化したときの問いを3つ作って」
- 「明日からの仕事で活かせる具体的行動を3つ抽出して」
実習・演習
演習: 講評の傾聴とメモ(25分)
時間配分:
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 12:10-12:30 | 講師・審査員からの講評(全チーム分) |
| 12:30-12:35 | 順位・結果発表 |
| 12:35-12:40 | チームごとにメモ整理+拍手で締める |
聴き手の動き:
- 「事実」「解釈」「行動」の3区分でメモ
- 他チームへの講評も同じ書式でメモ
- 拍手で感謝を伝える
- スマホ・ノートPCを閉じて集中
まとめ(5分)
このセッションで、皆さんは22日間プログラムの講義部分の最後を体験しました。
| 体験したこと | 一言要約 |
|---|---|
| 講評の聴き方 | 事実・解釈・行動の3区分 |
| 自分ごと化 | 他チームへの講評も自分の鏡 |
| 心構え | 講評は贈り物、包装より中身 |
明日は最終日Day22。今日得たメモは、明日のKPTの最大の材料になります。今日のメモを大切に持ち帰ってください。
22日間、本当におつかれさまでした。明日もう1日、皆さんの旅は続きます。
🔄 振り返りチェック
- 講評メモの3区分は何ですか?
- 「自分ごと化」の問いを1つ作れますか?
- 他チームへの講評を聞く意味は何ですか?
- 講評を受け取るときにやってはいけないことは何ですか?
補足資料
- 参考文献
- 『Listen, Learn, Lead』スティーブン・コヴィー著
- 発展課題
- 今日のメモを明日の朝もう一度読み返す(一晩寝かせると見え方が変わる)
- 「他チームの講評で最も自分ごと化できた言葉」を1つ深掘りする
学習ガイド
想定される質問と回答例
| 質問 | ヒント |
|---|---|
| 順位が悔しい/嬉しい | 順位は通過点。講評の中身こそ持ち帰る価値 |
| 講評内容に納得がいかない | 一度受け取って、後で冷静に「事実」だけ取り出して考える |
| メモが追いつかない | 完璧でなくてOK。キーワードだけ拾い、後で復元する |
| 他チームへの講評をメモする意味は? | 同じ指摘は次の自分にも当てはまる。先に学べる機会 |
つまずきやすいポイント
| つまずきポイント | ヒント |
|---|---|
| 順位ばかり気にして講評を聞き逃す | 順位は変えられない。講評は未来を変えられる |
| 講評を「攻撃」と受け取って心を閉じる | 講評は「贈り物」。気に入らなくても受け取って後で開ける |
| 「事実」と「解釈」を混ぜて記憶する | 必ず3区分でメモ。後で整理が楽になる |
| 他チームの講評を流し聞きする | 自分の鏡として聴くと得られる情報量が3倍になる |