ライトニングトーク〜個人発表
概要
- 日程: Day 21 / セッション 3
- 時間: 11:10-12:10(60分)
- 形式: 演習(プレゼンテーション)
- ゴール:
- 行動: 研修で学んだこと・工夫したことを1人あたりの制限時間内で発表する
- 条件: 1メッセージに絞り、高橋メソッドを実践して
- 基準: 時間内に収まり、聴衆に「1つだけ覚えてもらえる言葉」が残る
- 学習形式: プレゼンテーション(話す&行う)
導入(5分)
午前のチームプレゼンは「チームとしての発表」でした。
このセッションは「あなたとしての発表」です。
ライトニングトーク(LT)の語源は「稲妻のように短いトーク」。1人あたり3〜5分。短いがゆえに、1つのことだけしか語れません。
ここで難しい問いを投げます。
22日間で学んだ中で「1つだけ持ち帰る言葉」は何ですか?
すぐ答えが出ない人も大丈夫。これから60分でその答えを磨きます。
本編(10分)
1. 1メッセージに絞る厳しさ
LTの最大の難しさは「何を捨てるか」です。22日間で学んだことは無数。設計、実装、PM、プレゼン、チーム、AI活用、ペルソナ、KPT——どれも語りたい。
しかし、3分で2つのことを伝えると、聴衆はどちらも覚えません。1つに絞れば、その1つは残ります。
たくさん"] --> B["捨てる
捨てる
捨てる"] B --> C["残る1つ
=今日伝えること"]
絞り方のヒント:
| 問い | 例 |
|---|---|
| 一番衝撃を受けたのは? | 「設計書がテストのチェックリストになる」 |
| 一番恥ずかしい失敗は? | 「ペルソナを参照せずに画面を作って作り直した」 |
| 同期に薦めるなら? | 「AIへの『別の例で説明して』が万能」 |
| 明日から変える行動は? | 「タスクの終了条件を必ず動詞で書く」 |
コード例・実例
NG例とOK例:
[NG例] 詰め込み型
「22日間で、設計の大切さ、チーム開発、AIとの対話、
プレゼンの作り方、PMのコツを学びました。」
→ 聴衆: 「何を覚えたらいい?」
[OK例] 1メッセージ型
「私は『6割で次へ進む勇気』を学びました。
完璧主義で固まっていた私が、22日間で
一番変わった部分です。」
→ 聴衆: 「6割で進む勇気か。覚えた」
ここがポイント
捨てる勇気こそがLTのスキルです。捨てた内容は二次会で語ればよい——本番では1つだけ。
コラム
Twitter(X)の創業時、文字数制限は140字でした(現在は280字)。エンジニアたちは「140字じゃ何も伝わらない」と言いました。
しかし結果は逆。「140字しか書けない」から、書き手は本質を絞り、読み手は気軽に読む。これがTwitter爆発の理由の1つです。
LTの3〜5分も同じ。短いから磨かれる。長くないから聴いてもらえる。
2. 高橋メソッドの実践
LTのスライドは高橋メソッドが威力を発揮します。
| スライド派 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 詰め込み型 | 細かい文字びっしり | 読まれない・聴かれない |
| 高橋メソッド | 1単語を大きく | 視線が集まる・記憶に残る |
LT用高橋メソッドの作り方:
- 3〜5枚のみ作る
- 1枚に1単語または1短文
- 文字サイズは画面の1/3以上
- 背景はシンプルに
例:
スライド1: 「6割で進む」
スライド2: 「勇気」
スライド3: 「→明日から」
たった3枚。話すのは自分。これでよいのです。
3. 構成は「フリ・オチ・教訓」
LTの王道構成は「フリ・オチ・教訓」の3拍子。
| パート | 内容 | 時間配分 |
|---|---|---|
| フリ | こんな問題があった/こんな自分だった | 40% |
| オチ | こんな転機・気づき | 30% |
| 教訓 | だから今こう思う/こうする | 30% |
これは落語にも通じる構造です。聴衆は「で、どうなったの?」と引き込まれます。
💬 AIに聞いてみよう
- 「(自分のLT原稿を貼って)1メッセージに絞れているか診断して」
- 「(伝えたい教訓を貼って)フリ・オチ・教訓の3拍子で原稿を書き直して」
- 「LTで使える高橋メソッドのスライド構成を5案提案して」
実習・演習
演習: ライトニングトーク本番(45分)
時間配分の例(受講者10名・1人3分の場合):
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 11:10-11:15 | LT準備・心の準備・順番確認 |
| 11:15-12:00 | 1人3分×10名(移行含む) |
| 12:00-12:10 | 全体感想・拍手 |
発表者の動き:
- 開口一番で**伝えたいこと(1メッセージ)**を言う
- 高橋メソッドのスライドを使う
- 最後にもう一度メッセージを言って締める
- 笑顔と感謝を忘れない
聴衆の動き:
- 発表ごとに「覚えた1単語」をメモ
- 拍手は惜しまない
- 最後に「印象に残ったLT」と「その理由」を1つメモ
まとめ(5分)
このセッションでは、皆さんが個人として何を持ち帰るかを言語化しました。
| 体験したこと | 一言要約 |
|---|---|
| 1メッセージ | 捨てる勇気が磨く |
| 高橋メソッド | 1単語を大きく |
| フリ・オチ・教訓 | 王道の3拍子 |
次のセッションは審査・講評。22日間の全プログラムの最後の山場です。22日前の自分が、今日の自分を見たら何と言うでしょうか。
🔄 振り返りチェック
- LTで「捨てる」のはなぜ大切ですか?
- 高橋メソッドの作り方を3つ言えますか?
- 「フリ・オチ・教訓」とは何ですか?
- あなたが今日選んだ「1つの言葉」は何ですか?
補足資料
- 参考動画
- 「高橋メソッド」公式紹介(高橋征義氏)
- LTカンファレンスの動画(YAPC、PyCon等のLT枠)
- 発展課題
- 自分のLTを録画して見返す(恥ずかしさを乗り越えるとプロになる)
- 同期のLTで覚えた言葉を1人1つメモして帰る
学習ガイド
想定される質問と回答例
| 質問 | ヒント |
|---|---|
| 何を語ればよいかわからない | 「一番恥ずかしい失敗」「一番衝撃を受けたこと」から始める |
| 時間が短すぎて入りきらない | 入りきらないのは絞れていない証拠。捨てる |
| 高橋メソッドが幼稚に見えないか心配 | 「読ませる」と「見せる」の違い。LTでは「見せる」が正解 |
| 緊張で順番が早く来てほしくない | 早く終わると気が楽。最初か2番目に立候補するのも手 |
つまずきやすいポイント
| つまずきポイント | ヒント |
|---|---|
| 「あれも言いたい、これも言いたい」で詰め込む | 一番伝えたい1つを書き出し、それ以外を線で消す |
| スライドに頼って原稿棒読み | スライドは大きな文字数枚のみ。話の主体は自分 |
| 笑いを取ろうとして滑る | 笑いは結果。本気で語れば伝わる |
| 他人のLT中にスマホを見る | LTは聴衆の集中力で支えられる。全員で創る場 |