最終確認の計画〜チェックリスト作成
概要
- 日程: Day 20 / セッション 1
- 時間: 09:30-09:50(20分)
- 形式: 演習(グループワーク、AIサポートあり)
- ゴール:
- 行動: 製品・資料・役割・機材・代替手段の5観点を網羅した最終確認チェックリストを作成する
- 条件: チームメンバー全員の合意のもと、AIサポートを使って
- 基準: 20分以内に完成させ、後続セッションでそのまま使える状態にする
- 学習形式: グループワーク(AIサポートあり)
導入(5分)
明日は本番。今日はリハーサル。本番までに残された時間は今日と明日のたった2日です。
ここから3セッションで「リハーサル」を行います。流れはこうです。
- セッション1(今ここ): 確認すべきことを「書き出す」
- セッション2: 書き出したことを「確認する」
- セッション3: 本番と同じ流れで「通す」
なぜ最初に「書き出す」のでしょうか。
理由は1つ。「確認したつもり」を防ぐためです。人は頭の中だけで「確認した気」になります。スライドのページ番号は揃ってる、デモは動く、役割は決まった——本当に?声に出さずチェックしたことは、ほぼ確認できていません。
このセッションでは、製品・資料・役割・機材・代替手段の5観点で、自チーム専用のチェックリストを20分でつくります。
本編(10分)
1. チェックリストの5観点
何をチェックすればよいかわからないと、リストは書けません。まず観点を覚えましょう。本番の発表で「止まる可能性のあるところ」はおおむね5つに分類できます。
5観点"] --> B["1. 製品"] A --> C["2. 資料"] A --> D["3. 役割"] A --> E["4. 機材"] A --> F["5. 代替手段"]
| 観点 | 何を確認するか | 具体例 |
|---|---|---|
| 1. 製品 | デモする画面が遷移通りに動くか | ログイン→検索→予約→完了の通し |
| 2. 資料 | スライド・パネル・チラシの不備 | ページ番号、誤字、文字切れ、デモのスクショ |
| 3. 役割 | 誰が・いつ・何を話すか | 司会・本編・デモ操作・質疑対応 |
| 4. 機材 | プロジェクタ・PC・ネット | 解像度、HDMI変換、Wi-Fi、電源、音声 |
| 5. 代替手段 | デモ失敗時のPlan B | デモ動画、スクショ、ローカル実行 |
コード例・実例
たとえば「ログイン→検索→予約→完了」のデモなら、チェックリストはこうなります。
[ ] 製品: ログイン画面でID/PWを入れて遷移する
[ ] 製品: 検索画面でキーワードを入れて結果が出る
[ ] 製品: 予約ボタンを押して予約完了画面が出る
[ ] 製品: ペルソナ想定の入力でエラーが出ない
[ ] 資料: 表紙にチーム名・製品名がある
[ ] 資料: デモ前のスライドで「これから何を見せるか」が言語化されている
[ ] 役割: 司会1名、本編説明2名、デモ操作1名、質疑対応1名が決まっている
[ ] 機材: 本番会場のプロジェクタに自分のPCがつながる
[ ] 機材: HDMI/USB-C変換アダプタを持参する
[ ] 代替: デモ動画(30秒×3カット)を準備済み
[ ] 代替: スクショ4枚を「Plan B」スライドとして埋め込み済み
ここがポイント
チェックリストは**「動詞で書く」「主語を入れる」の2点を守ります。「ログイン画面」だけだと何を確認すべきか曖昧です。「ログイン画面でID/PWを入れて遷移する**」のように、動詞で書けば、確認したかどうかが○×で判断できます。
コラム
医療や航空の世界では「チェックリスト革命」という言葉があります。世界保健機関(WHO)が外科手術用の19項目チェックリストを導入したところ、合併症が36%、死亡率が47%減少しました(『The Checklist Manifesto』アトゥール・ガワンデ著)。
たった19項目です。なぜそんなに効くのか。理由は「複雑な仕事ほど、当たり前のことが抜ける」から。プロでも抜けます。皆さんの発表会も同じです。チェックリストは、緊張した未来の自分への「未来からの手紙」です。
2. AIにレビューしてもらう
自分たちで書き出したチェックリストには、必ず抜けがあります。なぜなら、自分が気づいていないことは、書き出せないからです。
ここでAIの出番です。AIに次のように頼みます。
「私たちのチームは○○(製品概要)の発表をします。デモ内容は△△です。会場はプロジェクタとWi-Fiが使えます。発表時間は○分です。
以下のチェックリストに漏れがありそうな項目を5つ挙げてください。(リストを貼る)」
AIは多くの場合、こんな盲点を指摘してくれます。
- バッテリー残量・電源ケーブル
- 画面ロック・通知のオフ
- 発表前の最終リハーサル時間
- 発表者が病欠した場合の代役
💬 AIに聞いてみよう
- 「製品デモの発表で、よく起きるトラブルを10個教えて」
- 「(自チームのチェックリストを貼って)この内容で抜けている観点を3つ指摘して」
- 「本番直前にやるべき準備運動・心構えを教えて」
実習・演習
演習: 自チームの最終確認チェックリストを作成する(15分)
- 5分: チーム内で5観点ごとに項目を洗い出す(付箋・ホワイトボード)
- 5分: AIに「漏れ」を指摘してもらい、項目を追加する
- 5分: 担当者欄・確認予定時刻欄を追加して完成
成果物テンプレート例:
| No | 観点 | 確認項目 | 担当 | 確認予定 | OK |
|----|------|---------|------|---------|----|
| 1 | 製品 | ログイン画面で… | 田中 | 10:00 | [ ] |
| 2 | 資料 | 表紙にチーム名… | 鈴木 | 10:15 | [ ] |
完成したら、次のセッション2でこのチェックリストを順番に潰していきます。
まとめ(5分)
このセッションで体験したのは、「確認」より先に「確認項目」をつくるという習慣です。
| 学んだこと | 一言要約 |
|---|---|
| 5観点 | 製品・資料・役割・機材・代替手段 |
| 書き方 | 動詞で書く・主語を入れる |
| AI活用 | 自分たちの盲点を埋めてもらう |
次のセッションでは、いま作ったチェックリストを片手に、本番と同じ機材・環境で全項目を確認します。
🔄 振り返りチェック
- 5観点を順番に言えますか?
- チェックリストを「動詞で書く」のはなぜですか?
- AIに「漏れ」を指摘してもらうとき、何を伝える必要がありますか?
- リハーサルで「Plan B」を準備する意味は何ですか?
補足資料
- 参考書籍
- 『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』アトゥール・ガワンデ著(医療現場のチェックリスト導入事例)
- 発展課題
- 自分の生活(旅行・引越し)でチェックリストを作ってみる
- 業務で「やったつもり」で抜けた経験を1つ思い出す
学習ガイド
想定される質問と回答例
| 質問 | ヒント |
|---|---|
| チェックリストはどれくらい詳しく書くべき? | 「初めて見た人がやれる粒度」が目安。曖昧な言葉は分解する |
| 全部チェックする時間がない場合は? | 観点1(製品)と観点5(代替手段)を最優先。これさえ動けば発表は止まらない |
| 役割は1人1役厳守? | 主担当を決めつつ、必ずバックアップ役を置く。当日体調不良もあり得る |
| Plan Bはどこまで準備すべき? | 「デモが完全に動かない」最悪ケースだけは必ず備える。動画かスクショで代替できる準備 |
つまずきやすいポイント
| つまずきポイント | ヒント |
|---|---|
| 抽象的な項目で書いてしまう(例: 「動作確認」) | 「○○画面で△△を入れて□□に遷移する」と動詞・主語・目的語で書く |
| 全観点を完璧にしようとして20分で終わらない | 1観点5分目安。完璧より時間内に「使えるリスト」を出す |
| AI任せでチェックリストを作ってもらう | AIは「漏れ指摘」役。最初の叩き台は自分たちでつくる |
| Plan Bを「縁起が悪い」と避ける | Plan Bは「保険」。準備するほど本番は落ち着く |