プレゼン資料の作成
概要
- 日程: Day 19 / セッション 2
- 時間: 09:55-11:00(65分)
- 形式: 実習(ハンズオン実習・AIサポートあり)
- ゴール(行動・条件・基準): 昨日のアウトラインに沿って、制限時間内に収まる枚数のプレゼン資料を、1スライド1メッセージの原則で65分以内にチームで作成し、トーンを統一できる
- 学習形式: ハンズオン実習(AIサポートあり)
導入(5分)
ここから手を動かす時間です。昨日のアウトラインと、さきほどのスライド作成テクニックがあれば、もう作れます。
注意点を1つだけ。完璧を目指さないでください。65分でアウトライン全部のスライドを作るには、1スライド平均3〜5分しかありません。1枚に凝り始めたら時間切れになります。
進め方は次の流れ。
(5分)"] --> B["2.並行作成
(40分)"] B --> C["3.マージ
(10分)"] C --> D["4.トーン統一
(10分)"]
最初に役割を分担し、並行で作って、最後に1つにマージしてトーンを揃える。チーム作業の王道です。
本編(20分)
1. プレゼン資料の定番構成
まず作るべきスライドの全体像。アウトラインに沿って次のテンプレートで埋めます。
| ページ | 内容 | 1枚 or 複数 |
|---|---|---|
| 表紙 | タイトル・チーム名・日付 | 1枚 |
| 目次 | 今日の流れ(任意) | 0〜1枚 |
| つかみ | 発問・衝撃の事実・個人の物語 | 1枚 |
| 全体(ホール) | 今日伝えたい3つ | 1枚 |
| パート1: 課題 | ペルソナの困りごと | 2〜3枚 |
| パート2: 解決 | 我々の製品の独自性 | 2〜3枚 |
| パート3: デモ | 動く製品 | 2〜3枚+実機デモ |
| まとめ(ホール) | 3つの再提示・キャッチフレーズ | 1枚 |
| Q&A | Thank You / 質問募集 | 1枚 |
| 補足 | 質問に備えた予備スライド | 任意 |
合計目安: 10分プレゼンで12〜18枚。高橋メソッドを取り入れるとさらに増えますが、それでOKです。
コード例・実例
表紙の良い例:
[巨大タイトル] 写真1枚で、献立3案。
[サブタイトル] 〜冷蔵庫AIアプリ「フードセーバー」〜
[小さく] チームXXX / 2026年X月X日
→ タイトル自体がキャッチフレーズ。サブで製品名を補足。
つかみの例:
[発問スライド]
あなたは昨日、夕食に何を食べましたか?
献立を決めるのに、何分悩みましたか?
→ 沈黙を3秒置いてから次へ
ここがポイント
表紙=キャッチフレーズにすると、聴衆の第一印象が決まります。「製品紹介」のような無難なタイトルは絶対NG。
2. デモの組み込み方〜失敗しないために
デモは強力ですが、失敗するとプレゼン全体が崩れます。保険を必ずかけます。
を1本に絞る"] B --> C["スクショ動画
を録画しておく"] C --> D["本番でデモ失敗時
動画再生で代替"]
| 準備項目 | 内容 |
|---|---|
| シナリオ | 「ペルソナの田中さんが写真を撮る→献立3案が出る→1つを選ぶ」など1本だけ |
| 操作担当 | デモする人を1人に固定。練習で操作を覚える |
| スクリーンショット | 各画面を画像でスライドに貼る(バックアップ) |
| 録画動画 | デモを30秒〜1分で録画。失敗時に再生 |
| ネット環境 | オフライン動作のシナリオも準備 |
コード例・実例
デモスライドの構成:
[スライド1] 「実際にお見せします」(つなぎ)
[実機デモ] 田中さんが献立を見つけるまで(1分)
[スライド2] スクリーンショット3枚で操作を再掲(振り返り)
実機デモが成功しても失敗しても、振り返りスライドがあれば話の軸がブレません。
ここがポイント
デモは「動く感動」を伝えるための手段。何を見せるかを1つに絞る。「あれもこれも」は失敗の元。
3. 役割分担と並行作成
5人チームなら、次のように分担します。
| 担当 | 役割 |
|---|---|
| リーダー | アウトラインの守人。スライドの一貫性を管理 |
| デザイン担当 | テンプレート作成(フォント・色・余白)を最初に決める |
| 課題パート担当 | パート1(2〜3枚) |
| 解決パート担当 | パート2(2〜3枚) |
| デモパート担当 | パート3(2〜3枚+デモ準備) |
最初の10分は「デザイン担当」がテンプレートだけ作るのがコツ。フォント・色・余白を決めてから、他のメンバーが各自の担当を埋めます。後でトーンが揃いやすくなります。
コード例・実例
テンプレートで決めること:
- 背景色: 白
- 本文フォント: メイリオ 24pt
- タイトルフォント: メイリオ 40pt
- 強調色: 赤(数字や重要な単語のみ)
- 余白: 上下左右各50px以上
- 1枚あたりの最大文字数: 50字
ここがポイント
並行作業の落とし穴は「バラバラ感」。テンプレートを最初に作り、終わりに「マージ&トーン統一」の時間を必ず取る。
4. AIをスライドレビューに使う
スライドを1枚作るごとに、AIに見せて改善点を聞きます。
コード例・実例
AIへの依頼文の例:
このスライドの内容は「【内容】」です。スライド作成テクニックの観点(1スライド1メッセージ、文字数を減らす、聴衆が3秒で理解できるか)でレビューしてください。改善案を3つ提案してください。
AIは過去の何万ものプレゼンを学習しているので、改善案の質が高いです。
ここがポイント
AIにスライドを作らせるのはダメ。AIにはレビューさせる。判断はチームが行う。
コラム
ガー・レイノルズの『プレゼンテーションZen』は、世界中のスライドデザインの教科書です。彼のメッセージは「シンプル・自然・優雅」。日本の禅から学んだそうです。「省く美学」がプレゼンの究極形。文字を増やすのは簡単、削るのは難しい。プロは削る側です。
💬 AIに聞いてみよう
- 「このスライドの文字数を半分以下に減らしてください」
- 「このスライドのタイトルを、もっとキャッチーに3案出してください」
- 「私のプレゼン全体(10枚)の流れを見て、削るべきスライドがあれば指摘してください」
実習・演習(35分)
ステップ1: 役割分担とテンプレート作成(5分)
- アウトラインを再確認
- パート別に担当者を決める
- デザイン担当がテンプレートを作る(フォント・色・余白)
ステップ2: 並行作成(20分)
- 各自が担当パートのスライドを作る
- 1スライド1メッセージを徹底
- 高橋メソッドを1〜2枚は必ず入れる
- もんたメソッドを1〜2回は必ず使う
- 1枚作るたびにAIにレビュー依頼
ステップ3: マージ(5分)
- 全員のスライドを1ファイルにマージ
- アウトライン通りの順番に並べ替え
- デモ位置を確認
ステップ4: トーン統一とAIレビュー(5分)
- フォント・色・余白を最終チェック
- 全体をAIに見せて「一貫性はあるか」レビュー
- キャッチフレーズが表紙とまとめで揃っているか確認
演習成果物
- プレゼン資料(12〜18枚程度、制限時間に収まる枚数)
- デモシナリオ(誰が・何を・何分で見せるか)
- スクリーンショット代替(デモ失敗時のバックアップ)
まとめ(5分)
このセッションでは、3つのことを実践しました。
- 定番構成: 表紙→つかみ→ホール→パート1〜3→ホール→Q&A
- デモは保険つき: シナリオ1本、スクショ動画でバックアップ
- 並行作成+トーン統一: テンプレート先行、最後に統一
次のセッションでは、出来たスライドで実際に練習します。時間を計って通し練習し、AIに聴衆役を演じてもらって想定質問を集めます。
🔄 振り返りチェック
- プレゼン資料の定番構成を順番に言えますか?
- デモを失敗させないための保険は何ですか?
- 並行作成でトーンを統一するコツは何ですか?
- AIに「スライドを作らせる」のと「レビューさせる」の違いは?
補足資料
- 参考リンク
- ガー・レイノルズ『プレゼンテーションZen』
- ナンシー・デュアルテ『slide:ology』
- Canva・Google Slides・Keynote・PowerPointのテンプレート集
- 発展課題
- 自分のスライドの中で「最も削れる文字」を10個探す
- 他チームのスライドを1枚見て、1スライド1メッセージになっているか評価する
学習ガイド
想定される質問と回答例
| 質問 | 回答ヒント |
|---|---|
| スライド枚数の上限は? | 1分あたり1〜2枚が目安。10分なら10〜20枚 |
| 表紙にチームメンバー全員の写真を入れたい | 表紙は「キャッチフレーズ」優先。メンバー紹介は別スライドで |
| 配布資料も同じスライドでいい? | 同じでよい。ただし高橋メソッドのスライドは配布資料には情報が少ないため、ノート欄に補足を書く |
| デモが本番でうまく動かなかったら? | スクショ・動画で代替。「いま少しトラブっているので動画でお見せします」と落ち着いて言う |
| アニメーションを使いたい | もんたメソッドだけOK。装飾アニメは禁止 |
| 図を作る時間がない | 表で代替。表はすぐ作れて伝わりやすい |
つまずきやすいポイント
| つまずきポイント | ヒント |
|---|---|
| 1枚に時間をかけすぎる | 1枚3〜5分で進む。凝るのは「ここぞ」の3枚だけ |
| デザインがバラバラ | テンプレートを最初に作る。終わりに必ず統一する時間を取る |
| デモのバックアップを忘れる | スクショ+動画は必須。本番の機材トラブルは50%発生する |
| 文字を詰め込む | 「3秒で読めない」と思ったら半分に削る |
| キャッチフレーズと表紙がズレる | 表紙=キャッチフレーズ、まとめでも再掲。3度繰り返すと記憶に残る |
| AIに丸投げ | AIはレビュア。判断はチーム |