終会〜進捗報告と課題共有
概要
- 日程: Day 15 / セッション 03
- 時間: [12:20-12:40](20分)
- 形式: 演習(グループワーク)
- ゴール: かんばんを更新し、完成までの残タスクを把握できる
- 行動: 終会フォーマットで進捗共有し、残タスクから「削る候補」を1件以上挙げる
- 条件: 20分以内に、残り日数(Day16-17)から逆算する
- 基準: 残タスクが残り日数で消化可能な量に収まっている、または削減候補が明示されている
- 学習形式: グループワーク
導入(5分)
実装スプリント4お疲れ様でした。フィードバック反映、進みましたか?
ここからが正念場です。明日Day16はテスト・品質向上、明後日Day17は仕上げ。実装期間は実質あと2日。残タスクを今日終会の時点で正確に把握しないと、Day17に「あと10個残ってる…」というパニックが起きます。
そして、今日の終会で身につけてほしい姿勢があります。間に合わない機能は削る判断をする。「全部やる」を諦める勇気は、Day14の終会と同じテーマですが、今日は「自分たちが作ったもの」を削る場面が出てきます。これは精神的にしんどい判断です。でも、ちぐはぐな完成より、中核の完成度を優先します。
本編(10分相当)
1. 終会フォーマット〜進捗・困りごと・明日の予定
終会で共有するのは、朝会と似た3点セットですが、内容が違います。
朝会との違いは「Doneに移した実績」を必ず言うこと。「やったつもり」ではなく「Doneに移した」が基準です。
コード例・実例
終会議事録テンプレート
# Day15 終会議事録
日付: YYYY-MM-DD / 12:20-12:40
出席: 〇〇, 〇〇, 〇〇, 〇〇
## 個別共有(1人1分)
### 〇〇(PM)
- 完了: スマホ対応の調査、ライブラリ選定
- 困りごと: レスポンシブ対応は工数オーバー、MVP範囲再検討必要
- 明日: MVP範囲を再合意して着手
### 〇〇(リーダ)
- 完了: エラー文言修正(チケット#3、Done)、デグレード確認OK
- 困りごと: なし
- 明日: テスト計画の作成に協力
### 〇〇(開発)
- 完了: 予約一覧キャッシュ導入(チケット#1、Done)
- 困りごと: キャッシュ無効化のタイミングをもう少し詰めたい
- 明日: テスト実施、デグレードチェック
## かんばんサマリー
- Done: 12タスク(昨日比+2)
- Doing: 3タスク
- Todo: 7タスク(残り2日で消化)
## 削減候補(チーム合意が必要)
- スマホ対応の全画面適用 → ペルソナ主要動線(トップ→予約)のみに縮小
- ロゴデザイン刷新 → 見送り(Day22以降)
## 明日の優先順位
1. テスト計画作成
2. デグレード総点検
3. スマホ対応MVP範囲の実装
ここがポイント
「Doingが3つ以上」は危険信号。誰か1人に集中している場合は明日助けに行く判断をします。
コラム
要件管理の世界には「MoSCoW法」という優先順位の付け方があります。M=Must(必須)、S=Should(重要)、C=Could(できれば)、W=Won't(今回はやらない)の頭文字を取ったもの。「やる/やらない」ではなく、4段階で仕分けると判断がしやすくなります。残り2日でM=Must だけは絶対終わらせる、Cは余裕があればやる、と決めると気持ちが軽くなります。
2. 「削る判断」の基準
「自分が作ったものを削る」のは辛い判断です。基準があれば迷いません。
ここがポイント
「核となる体験」とは、CJM(To-Be版)の中心動線。ペルソナが「これがあるから使いたい」と思う部分です。装飾的な機能(アニメーション、見栄え系、おまけ機能)は削っても核は揺らぎません。
3. かんばん更新のルール
終会のたびにかんばんを更新します。ここで甘くするとDay17で実態が分からなくなります。
| 状態 | 基準 |
|---|---|
| Todo | まだ手をつけていない |
| Doing | 手をつけたが完了していない(複数日にまたがって良い) |
| Done | コード変更・動作確認・デグレード確認・設計書更新の4点すべて完了 |
「ほぼDone」「コードはDone」は禁止語。完全に4点揃ったらDone、それ以外はDoing。これで実態がブレません。
ここがポイント
Done定義は曖昧にしない。チームで「Doneとは何か」を一度明文化して、終会の時に毎回確認する。
💬 AIに聞いてみよう
終会の後、AIに以下のように相談しましょう。
- 「以下の残タスク一覧から、Day16-17で完了不可能なものを抽出して理由も:(タスク一覧貼り付け)」
- 「以下の機能のうち、ペルソナの『核となる体験』に必要なものを判定して:(機能一覧貼り付け)」
- 「Day16のテスト計画案を作って。観点は機能・デグレード・異常系:(残タスク貼り付け)」
実習・演習(5分)
課題
20分の終会で以下を完了させてください。
- 終会フォーマットで3点セットを共有
- かんばんをDone/Doing/Todoの実態に合わせて更新
- 残タスクから「削減候補」を1件以上挙げてチーム合意
- Day16の優先順位を3つ決める
成果物
- 終会議事録
- 更新済みかんばん(Done/Doing/Todoの数値つき)
- 削減候補リスト(または「削減不要」の明示的判断)
- Day16優先順位リスト
ヒント
- 「Doing」が増えすぎていたら、明日完了するものに絞る
- 削る判断で迷ったら「ペルソナが気づくか?」を基準に
- 削減判断に時間がかかる場合、AIに優先度提案を依頼
まとめ(5分)
終会は3点セット(完了/困りごと/明日)。かんばんは実態に合わせて更新(Done定義を厳密に)。残タスクが多いなら削る判断を今日する。明日Day16はテスト、明後日Day17は仕上げ。残り2日を見据えて選択と集中。
🔄 振り返りチェック
- 今日Doneに移したタスクを言えますか?
- 残タスクが残り日数で消化可能な量か判断できましたか?
- 削るか残すかの判断に「ペルソナの体験」基準を使えましたか?
補足資料
- 参考: MoSCoW法、スコープボックスとタイムボックス、リーン開発の「ムダの排除」
- 発展課題: Day16朝会用に「テスト計画の骨子」を1ページにまとめておく
学習ガイド
想定される質問と回答例
| 質問 | 回答例 |
|---|---|
| 「削る」判断はチームで揉めそう | 基準(核となる体験/代替可能か)を共有してから議論。感情論を回避 |
| かんばんが「Doing」だらけ | 各自「明日完了するもの」と「持ち越すもの」に仕分け。後者はTodoに戻す勇気 |
| 削減候補がゼロのチームは? | おそらく見えていない作業がある。テスト時間・デグレード対応も計算に入れる |
つまずきやすいポイント
| つまずきポイント | ヒント |
|---|---|
| Done基準が甘い | 4点(コード・動作確認・デグレード・設計書)揃わない限りDoneにしない |
| 削る判断を先送り | 先送りすると最終日に強制カット。今日判断して明日に集中する |
| 個人の不安を共有しない | 「間に合わなさそう」をチームに早く出すほど助け合える。1人で抱えない |