朝会〜本日の作業計画
概要
- 日程: Day 15 / セッション 01
- 時間: [9:30-9:40](10分)
- 形式: 演習(グループワーク)
- ゴール: 見直した計画に基づき、本日の作業予定を共有できる
- 行動: 朝会3点セット(昨日完了/今日予定/困りごと)を1人1分で共有する
- 条件: 10分以内に議事録を埋める
- 基準: フィードバック対応タスクと既存タスクの優先順位がチームで合意されている
- 学習形式: グループワーク
導入(5分)
中間発表お疲れ様でした。今日からの3日間は、もらったフィードバックを反映する仕上げ期間です。
朝会のリズムをここで作り直します。Day15-17の3日間は「朝会→実装→終会」を毎日同じテンポで回す。リズムが乱れると、最後の3日で炎上します。
そして、今日からは新たな注意点があります。デグレード。フィードバック対応で何かを変えたら、別のところが壊れていないかを確認する必要があります。詳しくは次のセッションで扱いますが、朝会の段階で「自分が触る範囲は何か」を意識しておきましょう。
本編(20分相当)
1. 朝会3点セット〜昨日/今日/困りごと
朝会で共有するのは、たった3つです。
各メンバーが1分以内で順番に話します。10分の朝会で4〜5人なら全員話せます。
コード例・実例
朝会議事録テンプレート(コピペ用)
# Day15 朝会議事録
日付: YYYY-MM-DD / 09:30-09:40
出席: 〇〇, 〇〇, 〇〇, 〇〇
## 個別共有(1人1分)
### 〇〇(PM)
- 昨日完了: フィードバック整理、変換表作成
- 今日予定: スマホ対応の調査と着手
- 困りごと: レスポンシブのライブラリ選定中
### 〇〇(リーダ)
- 昨日完了: 中間発表のデモ操作
- 今日予定: エラー文言修正(チケット#3)
- 困りごと: なし
### 〇〇(開発)
- 昨日完了: 中間発表資料作成
- 今日予定: 予約一覧のキャッシュ導入(チケット#1)
- 困りごと: キャッシュ戦略をAIに相談中
## 本日の優先順位(チーム合意)
1. 予約一覧キャッシュ(価値高・工数低)
2. エラー文言修正(価値中・工数低)
3. スマホ対応(価値高・工数高、MVP範囲のみ)
## デグレード注意ポイント
- キャッシュ導入時:予約登録後にデータが反映されるか確認
- スマホ対応時:PC表示が崩れないか確認
ここがポイント
「困りごと: なし」は本当にないか確認する。「順調」と言いたい気持ちを抑えて、小さな引っかかりも口に出すと、後でハマる時間が減ります。
コラム
スクラム開発の「デイリースクラム」では、メンバー全員が次の3つの質問に答えます。「昨日何をしたか」「今日何をするか」「何か障害はあるか」。15分という時間枠が決まっており、議論が始まったら別の場(朝会後の作戦会議)に移します。朝会は「情報共有の場」であって「議論の場」ではない。これが時間内に終わらせるコツです。
2. フィードバック対応タスクと既存タスクの優先順位
Day14終会で決めた「採用タスク」と、もともとあった「残タスク」が混在している状態です。優先順位を明確にしないと、誰が何を触っているか分からなくなります。
並べ替えの基準は前日と同じ。「ペルソナの体験がどれだけ良くなるか × 工数」。
ここがポイント
1人が同時に手をつけるタスクは1〜2個まで。3つ以上の「Doing」は、どれも進まないサイン。朝会で「あなたは何を持っている?」を可視化しておくと、午後のヘルプ依頼がしやすくなります。
3. デグレードの予告と意識づくり
今日の実装の最大の落とし穴は「直したら別の場所が壊れた」です。これをデグレード(regression、退行)と呼びます。
朝会で「自分が触る範囲は何か」「他の人の触る範囲と重ならないか」を確認します。重なる場合は「先にAさんが終わってからBさんが触る」と順序を決めます。
詳しくはこの後のセッション2で扱いますが、朝会の段階で意識しておくことが大事です。
💬 AIに聞いてみよう
朝会後、AIに以下のように聞いてみてください。
- 「以下のタスク一覧の依存関係を整理して、着手順を提案して:(タスク一覧貼り付け)」
- 「以下の変更でデグレードしそうな箇所を予測して:(変更内容貼り付け)」
- 「朝会で『困りごとなし』だったが本当にないか確認する質問を5つ作って」
実習・演習
課題
チームで朝会10分を実施し、議事録を埋める。
- 各メンバーが3点セットを1分以内に共有
- 本日の優先順位をチーム合意で決める
- デグレード注意ポイントを最低1つ書く
成果物
- 朝会議事録(Markdownでもホワイトボード写真でも可)
- 本日の優先順位リスト(上位3〜5タスク)
ヒント
- タイマーを必ず使う。1人1分厳守
- 議論が始まったら司会が「朝会後に話そう」と切る
- 「困りごとなし」と言われたら「本当に?」と一度聞き返す
まとめ(5分)
朝会は3点セット(昨日/今日/困りごと)×1人1分。優先順位はチーム合意。デグレード意識を今日から持つ。リズムを守れば残り3日も乗り切れる。
🔄 振り返りチェック
- 全員が3点セットを1分以内で話せましたか?
- 本日の優先順位はチームで合意できましたか?
- 自分が触る範囲と、他の人の触る範囲を把握できましたか?
補足資料
- 参考: スクラムガイドのデイリースクラム、トヨタ生産方式の「朝礼」
- 発展課題: 朝会の所要時間を毎日記録し、Day17に振り返って改善点を出す
学習ガイド
想定される質問と回答例
| 質問 | 回答例 |
|---|---|
| 朝会が長引いてしまう | 議論は朝会後に分離。司会が「これは作戦会議で」と切る。10分厳守 |
| 「困りごとなし」が続く | 「小さな引っかかりもOK」と促す。リスクの早期発見が朝会の最大価値 |
| 優先順位で意見が割れる | 「ペルソナが喜ぶ順」を共通基準に。決まらない時はPMが決断 |
つまずきやすいポイント
| つまずきポイント | ヒント |
|---|---|
| 議事録を取る人がいない | 当番制でローテーション。AIに音声を文字起こしさせる手もある |
| 全員が同じタスクをやろうとする | かんばんで担当を明示。1タスク1担当を原則に |
| デグレード意識が薄い | 朝会の最後に「今日壊れそうな場所は?」を一言ずつ言う習慣を作る |