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終会〜進捗報告と課題共有

概要

  • 日程: Day 12 / セッション 3
  • 時間: [12:20-12:40]
  • 形式: 演習
  • ゴール: かんばんを更新し、進捗の遅れがあれば原因と対策をチームで1つ以上決められる
  • 学習形式: グループワーク(話す&行う)

導入(3分)

2日目の終会です。今日は設計書との突き合わせがテーマでした。設計を更新した人、コードを直した人、それぞれの結果を持ち寄りましょう。

ここで大切なことを1つ。進捗が遅れていたとき、それは「誰かのせい」ではありません。

遅れは「人」ではなく「タスクの大きさ・順序」の問題として扱う。

これがチーム開発のルールです。原因を人に向けると、次から正直な報告が出なくなり、チームの目が曇ります。

本編(10分)

1. 進捗報告〜遅れを正直に出す

20分の使い方は昨日と同じです。

flowchart LR A["1. 司会宣言
1分"] --> B["2. 一人ずつ報告
1分 x 人数"] B --> C["3. 設計変更の共有
3分"] C --> D["4. かんばん更新
5分"] D --> E["5. 遅れ対策の合意
3分"] E --> F["6. 解散
1分"]

今日は「設計変更の共有」が増えました。誰が・どの設計書を・なぜ・どう変えたかを30秒で共有します。

コード例・実例

報告テンプレート。

【できたこと】
- 会員登録 入力チェック実装、Done。

【設計変更】
- 機能設計書 §3.2 にパスワード確認入力欄を追加。理由: ユーザーが入力ミスに気づけないため。

【困っていること】
- 重複チェック処理が遅い。検索インデックスについて明日AIに相談したい。

【明日の予定】
- 会員一覧 検索機能 着手。お昼までに動く状態を目指す。

ここがポイント

  • 設計変更は必ず全員に共有する(昨日と前提が変わった人がいるかも)
  • 「困りごと」は今日も1つ
  • 遅れは数字で報告。「3割遅れ」より「予定2タスクのうち1つ未着手」が伝わる

コラム

進捗の伝え方の研究で、「順調」「遅れ気味」のような感覚語で報告された進捗は、後で実態と60%以上ずれていた、というデータがあります。一方、数字(完了タスク数/全タスク数)で報告された進捗のズレは15%以下でした。言葉のあいまいさは善意でも害になります。終会では数字で話しましょう。

2. 遅れの原因分析〜「人」ではなく「タスクと順序」

遅れがあったら、原因をチームで分析します。視線を「人」に向けない型を使います。

flowchart TB A["遅れたタスク"] --> B{"原因は?"} B -- "タスクが大きすぎた" --> C["分割する"] B -- "順序が違った" --> D["依存関係を見直す"] B -- "技術的な詰まり" --> E["知見ある人とペア化"] B -- "外部要因(環境・ツール)" --> F["代替手段を検討"]

コード例・実例

遅れ対策の合意例。

【遅れたタスク】会員登録の入力チェック (予定: 完了 → 実態: 80%)

【原因分析】
- タスクが大きすぎた (5項目分の入力チェックを1タスクにしていた)

【対策】
- タスクを2つに分割: 「必須項目チェック」と「形式チェック」
- 形式チェックは明日午前にAさんが担当 (Bさんとペア)

【決定者】チーム全員、終会時刻 12:35

「Bさんの作業が遅い」ではなく「タスクが大きすぎた」と言い換えることで、解決可能な問題になります。

ここがポイント

  • 主語を「人」ではなく「タスク」「順序」「環境」にする
  • 対策は1つ以上、必ず決める(先送り禁止)
  • 決定はかんばんに反映してから解散する

コラム

「責めない・隠さない・嘘つかない」を意味する Blameless(ブレームレス)という文化が、近年のIT現場で広がっています。GoogleやNetflixでは、大障害の事後分析(ポストモーテム)で個人を責めない決まりがあります。理由は単純で、責めると次から正直な情報が出なくなり、もっと大きな障害を招くからです。研修中の終会も、同じ精神で運営しましょう。

💬 AIに聞いてみよう

終会の質を上げるためにAIに聞けること。

  • 「Blameless culture(責めない文化)の実例を3つ教えて」
  • 「タスクが大きすぎた、を判定する基準は?」
  • 「終会で対策を決めるとき、抜けがちな観点を教えて」

実習・演習(5分)

課題

司会1名・書記1名を決めて、終会を実施してください。

  1. 司会宣言
  2. 1人1分の報告(できたこと・設計変更・困りごと・明日の予定)
  3. 設計変更の全体共有
  4. かんばん更新
  5. 遅れがあれば原因と対策をチームで合意
  6. 解散

成果物

  • 実態に合ったかんばん
  • 設計変更の記録(今日更新した設計書一覧)
  • 遅れ対策のメモ(明日の朝会で再確認)

まとめ(2分)

今回学んだことを一言でまとめると「遅れは正直に・原因はタスクへ・対策は1つ決めて解散」です。

  • 設計変更は終会で全員共有
  • 進捗は数字で報告
  • 遅れの原因は「人」ではなく「タスク・順序・環境」

明日はチームコードレビューです。レビューに出すコードを意識しておきましょう。

🔄 振り返りチェック

  • 遅れの原因を分析するとき、視線を向けてはいけないのは?
  • 進捗報告は感覚語と数字、どちらで?
  • 設計変更を終会で共有する理由は?

補足資料

  • 参考リンク: 自チームのかんばん、当日更新した設計書
  • 発展課題: Blameless culture について調べてチームに3分で発表する準備をしておく

学習ガイド

このセクションは、受講者が理解を深めることをサポートする参考情報です。

想定される質問と回答例

質問 ヒント
明らかに本人の準備不足で遅れた場合は? それも「タスク粒度が大きすぎて準備時間を読めなかった」と言い換える。次回の見積もり改善につながる
遅れの対策がすぐ思いつかない 「明日午前に5分の作戦会議を持つ」と決めて翌朝に持ち越し。先送りではなく「次の一手を決めた」状態にする
設計変更を終会で初めて知るメンバーがいる 即時共有が理想。終会まで持ち越したならチャット履歴を見てもらう
全員が「順調」と言うのに進捗が悪い 数字で報告するルールを再周知。タスク完了基準も再確認

つまずきやすいポイント

つまずきポイント ヒント
原因分析が個人攻撃になる 司会が「主語をタスクに」と都度言い換える練習をする
対策が「次から気をつけます」になる 具体的な行動(誰が・いつ・何を)まで決める。気持ちは行動にならない
終会の時間オーバー 議論が始まりそうなら「明日朝会後10分で別途」と切り上げる
設計変更の共有を忘れる 報告テンプレートに「設計変更」を必ず1項目入れる
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