成果発表資料作成
概要
- 日程: Day 4 / セッション 06
- 時間: 13:30-14:00
- 形式: 実習
- ゴール: チームの役割分担・構成・デモ・KPTを盛り込んだ発表資料3〜5枚を作成し、5分で話し切れる構成にできる
- 学習形式: ハンズオン実習(AIサポートあり)
導入(5分)
実装は仕上がりました。これを5分間のプレゼンに圧縮するのが、このセッションの仕事です。
ここで大事なメッセージを1つ。「何を作ったか」より「IAをどう適用したか」を語ってください。同じ「家計簿アプリ」でも、ペルソナの設定・情報モデルの切り出し方・状態遷移の決め方が違えば、別物になります。聴き手が知りたいのは「どんな考え方で、どんな判断をしたか」です。コードを見せる前に、設計の物語を語りましょう。
本編(10分)
1. 発表資料の標準構成(3〜5枚)
5分発表に詰め込めるのは、せいぜい4〜5枚です。次の構成を推奨します。
| スライド | 内容 | 配分 |
|---|---|---|
| 1. テーマとペルソナ | 何のアプリ、誰のため、解く課題 | 60秒 |
| 2. 情報モデルと状態遷移 | 主要モデル、状態遷移図、CRUD対応 | 60秒 |
| 3. アーキテクチャと役割分担 | UI/API分離、技術選定、誰が何を担当 | 60秒 |
| 4. デモ | 1ユースケースの実演 | 90秒 |
| 5. KPT・学び | Keep/Problem/Try、IAから得た学び | 30秒 |
ここがポイント
- 1スライド1メッセージ
- 文字を減らして、図と実物を多く
- デモは「本物を見せる」が最強の説得力
コラム:5分は短いか長いか
TEDトークの平均は約18分、政治家の演説は数十分、CMは15〜60秒。研究によれば人間が「集中して聞ける」のは7〜10分程度らしいです。5分は「短すぎず長すぎない」絶妙な長さ。ただし密度が要ります。資料を作る側は「何を削るか」に頭を使うのがコツです。
2. 各スライドの書き方ガイド
スライド1:テーマとペルソナ
タイトル:(アプリ名)
ペルソナ:
- 名前 / 年齢 / 職業
- 困りごと:1行で
提供価値:
- 1文で。「〇〇な人が△△できる」
聴き手の感情を最初に動かすため、具体的な顔が見えるペルソナを提示します。
スライド2:情報モデルと状態遷移
- 主要モデルを2〜3つ図示
- 状態遷移図を1つ載せる
- CRUDとAPIエンドポイントの対応表(簡易版)
Day 2で作った成果物をそのまま貼り付けてOK。手抜きではなく、設計の継続性を見せる正攻法です。
スライド3:アーキテクチャと役割分担
- 採用した設計アプローチ(DOA/MDA/SOA/ROA/OOAD のどれか + 理由1行)
- MVC/MVVM/DDDのどれを意識したか
- 役割分担(誰が何を担当したか)
スライド4:デモ
- スクリーンを切り替えて実物を90秒で実演
- 動かない場合は録画 or スクショ連番
- ナレーション台本を裏で用意
スライド5:KPT・学び
| Keep | Problem | Try |
|---|---|---|
| 良かったこと | 困ったこと | 次にやりたいこと |
そして最後に 「IAの観点で得た最大の学び」を1文 で締める。
ここがポイント
KPTの「Try」は「次回はもっとペルソナ視点で削る」「APIファーストを徹底する」など、IAの言葉で語ると締まります。
コラム:ストーリーテリングは古代から
アリストテレスは『弁論術』で「序論→本論→結論」の3段構成を提唱しました。スティーブ・ジョブズの基調講演は「問題提起→解決策→デモ→one more thing」の4段構成。皆さんのスライドも「ペルソナの困り事→設計→実装→デモ→学び」という古来のパターンに従っています。型に乗ると伝わりやすいのです。
3. AIに発表資料作成を手伝ってもらう
# 依頼
次の情報から5分発表のスライド5枚分の構成を作って。
各スライドにタイトル・要点3つ・話す台本(30〜60秒)を入れて。
# 開発テーマ
(テーマ)
# ペルソナ
(プロフィール)
# 主要情報モデル
(モデル名と属性)
# 採用したアーキテクチャ
(DOA/MDA/SOA/ROA/OOAD のいずれか + 理由)
# 役割分担
(メンバーと担当)
# デモシナリオ
(1ユースケースの流れ)
# KPT
Keep: 〜
Problem: 〜
Try: 〜
ここがポイント
AIが出した台本は鵜呑みにせず、自分たちの言葉に直す。原稿は「自分が話せる温度」まで書き直すのが鉄則。
💬 AIに聞いてみよう
ここまでの内容で疑問があれば、AIに質問してみましょう。たとえば:
- 「次のテーマで5分発表の構成を作って:(テーマ)」
- 「デモ中に手が震えても落ち着いて話すコツは?」
- 「『IAを適用した』ことを技術者にどう伝えると刺さる?」
実習(10分)
課題
チームで5分発表用のスライド3〜5枚を作成してください。ツールは自由(Google Slides / PowerPoint / Keynote / Marp / HTML等)。
最低限のチェックポイント:
- ペルソナと提供価値が1スライド目に1文で書かれている
- 情報モデル / 状態遷移 / アーキテクチャの図がある
- デモ画面のスクショ or リンクがある
- KPTを表で示している
- 5分以内に話し切れる量に削れている
成果物
- 発表スライド一式(GitHub に push、または共有リンク)
- 発表者の台本(メモ程度でOK)
- 話す順番と担当者の対応表
ヒント
- スライド作成は1人がドライバー(操作)、他が指示出しのペアプロ形式が速い
- Day 1〜3の成果物をそのまま貼って構わない(設計の継続性アピール)
- 「言いたいこと」より「聞き手が聞きたいこと」を優先
- 1スライドに文章を詰め込み過ぎない(1スライド1メッセージ)
まとめ(5分)
発表資料の良し悪しは「伝えたいメッセージが1つに絞れているか」で決まります。皆さんは4日間の濃密な学びを抱えていますが、それを全部詰め込もうとすると逆に何も伝わりません。1つのメッセージに絞り、それを支える図とデモで補強する。これがプロの構成です。
次のセッションでは確認テストを受けます。発表資料はここでフィックスし、頭を切り替えてテストに臨みましょう。
🔄 振り返りチェック
- スライド1枚目のメッセージを1文で言えますか?
- デモシナリオを30秒で説明できますか?
- KPTの「Try」をIAの言葉で表現できていますか?
補足資料
- 参考リンク: 「TED Talkに学ぶプレゼン術」、Marp(Markdownでスライド)
- 発展課題: 同じ内容を「3分版」「1分版」にも圧縮してみる
学習ガイド
想定される質問と回答例
| 質問 | ヒント |
|---|---|
| デモが動かなかった時の対処は? | 録画を用意、または「現時点では〇〇まで動く」と素直に話す |
| 文字をどこまで小さくしていい? | 24pt以上推奨。後ろの席から読めるかが基準 |
| 全員話すべき? | チーム規模に応じて。1人でも全員でもOK、ただし役割は明示 |
つまずきやすいポイント
| つまずきポイント | ヒント |
|---|---|
| 機能リストを長々と並べる | 機能ではなく「ペルソナにどんな価値か」を語る |
| コードを画面に映して読む | コードはチラ見せ程度、設計図を主役に |
| 発表練習せず本番突入 | 5分で話せるか1回は通しで読む |