機能とプレゼンテーションの抽出
概要
- 日程: Day 2 / セッション 05
- 時間: 11:35-12:00
- 形式: 実習
- ゴール: 自チームの状態遷移図から、5種の機能(新規入力/1件表示/一覧表示/更新/削除)と、それぞれに対応するプレゼンテーション(画面)一覧を作成できる
- 学習形式: AI協働型(機能・画面の抜け漏れチェックをAIに依頼する)
導入(5分)
前のセッションで状態遷移図を3つ以上作りました。状態遷移を書くと「機能と画面が自動で導き出せる」と説明したことを覚えていますか?このセッションでその効果を実感する番です。
「画面、何枚必要だっけ?」「機能、どこまで作ればいい?」と悩んだ経験はありませんか?このセッションを終えると、その悩みが消えます。状態遷移図さえあれば、必要な機能と画面は機械的に列挙できるのです。
午後のモックアップ作成、明日の設計、明後日の実装、すべてはこのリストを元に進みます。短い25分ですが、最重要のアウトプットです。
本編(5分の解説 + 15分の実習)
1. 5つの基本機能とプレゼンテーション
CRUDを、より実務的に分解すると次の5つになります。
(Create)"] SM --> F2["2. 1件表示
(Read 単件)"] SM --> F3["3. 一覧表示
(Read 複数)"] SM --> F4["4. 更新
(Update)"] SM --> F5["5. 削除
(Delete)"]
| # | 機能 | 対応する典型的な画面 |
|---|---|---|
| 1 | 新規入力 | 入力フォーム画面 |
| 2 | 1件表示 | 詳細画面 |
| 3 | 一覧表示 | リスト画面(検索・並び替え含む) |
| 4 | 更新 | 編集フォーム画面 |
| 5 | 削除 | 削除確認画面 |
ここで大事なポイントが2つあります。
- 機能と画面は1対1とは限らない:1つの機能に複数画面(例:入力→確認→完了の3画面)になることがある
- 5つの機能は情報モデルごとに必要:3つの情報モデルがあれば、合計15機能・15画面前後になる
ここがポイント
「5機能 × 情報モデル数」が最初の見積もりです。実際にはもう少し増減しますが、まず基準を持つことで「画面が思いつかない…」と止まることがなくなります。
コラム:「画面遷移図」と「状態遷移図」は別物
混同されがちですが、画面遷移図は「ユーザーがどう画面を渡り歩くか」、状態遷移図は「データがどう状態を変えるか」。前者はUI設計の道具、後者は情報設計の道具です。両方を別々に書き、相互に整合性をチェックするのが理想です。今日のセッションでは状態遷移図から機能・画面を導き、明日以降に画面遷移図を描いていきます。
2. 機能一覧と画面一覧のテンプレート
機能一覧
| # | 情報モデル | 機能ID | 機能名 | 引き金になる状態遷移 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | レシピ | F-001 | レシピ新規登録 | (初期)→ 下書き |
| 2 | レシピ | F-002 | レシピ詳細表示 | (状態問わず) |
| 3 | レシピ | F-003 | レシピ一覧表示 | (状態問わず) |
| 4 | レシピ | F-004 | レシピ編集 | 下書き → 下書き |
| 5 | レシピ | F-005 | レシピ公開 | 下書き → 公開中 |
| 6 | レシピ | F-006 | レシピ削除 | (任意)→ 削除済み |
プレゼンテーション(画面)一覧
| # | 画面ID | 画面名 | 対応する機能ID | 主な表示項目 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | S-001 | レシピ入力画面 | F-001 | タイトル、材料、手順 |
| 2 | S-002 | レシピ詳細画面 | F-002 | 全項目 + コメント |
| 3 | S-003 | レシピ一覧画面 | F-003 | サムネ、タイトル、いいね数 |
| 4 | S-004 | レシピ編集画面 | F-004 | 編集可能な全項目 |
| 5 | S-005 | レシピ削除確認画面 | F-006 | 削除対象の主要項目 |
ここがポイント
機能IDと画面IDを必ず付けること。後で要件追跡(トレーサビリティ)が圧倒的に楽になります。「F-005はどの画面で使う?」と即答できる状態を維持します。
実習・演習(15分)
課題
Session04で作成した3つの情報モデルそれぞれについて、機能一覧とプレゼンテーション一覧を作成する。
進め方タイムスケジュール
| 時間 | 作業 |
|---|---|
| 8分 | 3つの情報モデル × 5機能 = 15機能を表に書き出す |
| 5分 | 各機能に対応するプレゼンテーションを書き出す |
| 2分 | AIに抜け漏れチェックを依頼 |
成果物
- 機能一覧(15機能以上)
- プレゼンテーション(画面)一覧(10画面以上)
ヒント
AIプロンプト例(抜け漏れチェック)
私たちのチームでは情報モデル「レシピ」「ユーザー」「コメント」について
状態遷移図と機能一覧を作りました。
機能一覧:
[ここに表をコピペ]
新規入力・1件表示・一覧・更新・削除以外に、ペルソナの
「料理初心者の20代女性」が求めそうな機能の抜け漏れがあれば指摘してください。
例:検索、絞り込み、お気に入り登録、シェア、など。
💬 AIに聞いてみよう
- 「『一覧表示』だけど、検索や絞り込みは1機能扱い?別機能?」
- 「ログイン/ログアウトは情報モデルに紐づかないけど、機能一覧に入れる?」
- 「機能と画面が1対1にならない例を教えて」
まとめ(5分)
機能一覧とプレゼンテーション一覧が完成しました。これでDay 2午前の成果物がすべて揃いました。
| 成果物 | 状態 |
|---|---|
| 情報モデル一覧 | 完成 |
| 状態遷移図 | 完成 |
| 機能一覧 | 完成 |
| プレゼンテーション一覧 | 完成 |
午後は「開発モデル」「非機能要件」「UI(モックアップ)」へと進みます。今までは「何を作るか(要件)」中心、午後からは「どう作るか(実装の準備)」に少しずつ視点が移ります。
🔄 振り返りチェック
- 機能一覧は15以上ありますか?
- 機能IDと画面IDを付けましたか?
- 「検索」や「ログイン」などの横断機能を見逃していませんか?
補足資料
- 参考リンク:要件追跡マトリクス(RTM)の例
- 発展課題:機能一覧と画面一覧の整合性をチームメンバーで相互チェック
学習ガイド
想定される質問と回答例
| 質問 | ヒント |
|---|---|
| 1機能に複数画面のときどう書く? | 画面IDを複数列挙する。例:F-001 → S-001a, S-001b, S-001c |
| 削除確認画面は必ず必要? | 取り返しのつかない操作は確認画面を入れるのが原則 |
| 機能IDのつけ方に流儀はある? | プロジェクトで統一すれば自由。F-{情報モデル略号}-{連番}など |
つまずきやすいポイント
| つまずきポイント | ヒント |
|---|---|
| ログイン等の共通機能を忘れる | 「認証」「権限」「通知」は別カテゴリで列挙する |
| 検索機能を「一覧表示」に含めて見えなくする | 検索は別機能として独立させる方が見通しが良い |
| 画面数を増やしすぎる | まず基本5画面。追加は後でできる |