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チーム編成と開発テーマ決定

概要

  • 日程: Day 1 / セッション 02
  • 時間: [9:30-10:00]
  • 形式: 実習
  • ゴール: 3〜4名のチームを編成し、情報処理を伴う開発テーマを1つ、チーム全員の合意のもとに決定できる
  • 学習形式: ハンズオン実習(AIブレストあり)

導入(5分)

前のセッションで、IAは「誰に、何の価値を提供するか」を設計する技術だと学びました。ここからは「実際に作ってみる対象」が必要です。これがないと、4日間が「教科書を読んだだけ」で終わってしまいます。

ここで質問です。皆さんが「あったらいいな」と思うWebサービスやアプリは何ですか?「今あるけど、もっと使いやすくしたい」ものでもOKです。今日決めるテーマは、4日間ずっと使い続けます。「自分が本当に欲しいもの」を選ぶと、後の作業が一気に楽しくなります。

本編(15分)

1. チームの作り方

3〜4名のチームを作ります。理想は3名。4名以上だと意思決定が遅くなりがちです。

チーム作りのコツは「役割の多様性」です。たとえば「コードが得意な人」「絵を描くのが好きな人」「人前で話すのが得意な人」「議事録を取るのが好きな人」。同じタイプばかりが集まると、作業が偏ります。

チームができたら、最初に決めることが2つあります。

1つ目は「チーム名」。これは盛り上げ要素ですが、意外と大事です。チームに名前があると、所属意識が生まれます。「チーム焼き鳥」「チーム午前3時のコーヒー」など、自由でOK。

2つ目は「タイムキーパー」。1名指名してください。後の作業で、時間管理ができないと終わりません。

ここがポイント

役割は固定しないこと。「コードはAさんに任せた」と決めてしまうと、他のメンバーが学ぶ機会を失います。チームの中で「全員が全工程に触れる」のが理想です。

2. 開発テーマの選び方

開発テーマには3つの条件があります。

1つ目は「情報処理を伴うこと」。たとえば、家計簿、レシピ検索、オークション、シフト管理、読書記録、ペット飼育記録などです。「情報を入力する → 保存する → 検索する → 表示する」のサイクルがあるものを選びます。

2つ目は「規模が大きすぎないこと」。「次世代SNSを作る」「ChatGPTのクローン」は4日間では無理です。「1つの情報の種類を、CRUDで操作できる」程度のシンプルなものが理想です。「家計簿」なら「収支を記録して、月別に集計できる」程度。

3つ目は「チーム全員が興味を持てること」。1人だけが推すテーマは避けてください。後で「私はこれに興味ない」となると、作業が進みません。

例として、過去の研修で選ばれた人気テーマを挙げます。

  • 家計簿アプリ:「収入・支出を入力し、月別カテゴリ別に集計表示する」
  • レシピ提案アプリ:「冷蔵庫の食材を入力すると、作れるレシピを提案する」
  • 個人向けオークションサイト:「不要品を出品し、入札を受ける」
  • 部活シフト管理:「メンバーの予定を入力し、当番表を自動作成する」
  • 読書記録アプリ:「読んだ本を記録し、ジャンル別に統計表示する」

「飲食店マップ」「写真共有SNS」「TODOアプリ」も悪くないですが、TODOアプリは「シンプルすぎてIAの面白さが出にくい」傾向があります。一方「次世代AIチャット」は壮大すぎて4日間では作れません。中間が狙い目です。

ここがポイント

テーマ選びで「斬新さ」を狙う必要はありません。「既存のサービスを、自分たちなりに少し変える」だけで十分に学びになります。むしろ、既存サービスがある方が比較ができて学びやすいです。

コラム

シリコンバレーの起業家ポール・グレアムは「自分が欲しいものを作れ」と言っています。Facebookは「学内の女の子の顔写真を見たい」という動機で始まりました。Instagramは「位置情報共有アプリ」として始まったのに、写真機能だけが人気になって写真SNSへ転身しました。「最初から正解を狙わない」のが、面白いプロダクトの作り方なのかもしれません。

3. AIにブレストパートナーになってもらう

テーマがすぐに決まらない場合、AIにブレストパートナーになってもらいましょう。

良い聞き方:「私たちは情報工学を学ぶ学生3名のチームです。4日間で『情報アーキテクチャ』を学ぶ研修で、開発テーマを決めています。情報処理を伴う、4日間で作れる規模の、学生にとって身近なテーマを5つ提案してください。」

悪い聞き方:「テーマ何がいい?」(情報が少なすぎてAIも困る)

AIから提案が出たら、「このテーマで、どんな情報を扱うことになりますか?」と続けて聞くと、テーマの具体イメージが湧きます。

💬 AIに聞いてみよう

ここまでの内容で疑問があれば、AIに質問してみましょう。たとえば:

  • 「私たちのチームは〜に興味があります。これを発展させた開発テーマを5つ提案して」
  • 「家計簿アプリと読書記録アプリ、IAの学びとしてどちらが向いていますか?」
  • 「テーマを決める時、メンバーの意見が割れたらどうすればいい?」

実習・演習

課題

  1. 3〜4名のチームを作り、チーム名とタイムキーパーを決める(5分)
  2. AIにテーマを5つ提案してもらう(5分)
  3. チームで議論し、1つに絞る(10分)

成果物

  • チーム名
  • メンバー名一覧と役割(タイムキーパー、議事録、AI担当など)
  • 開発テーマ名
  • テーマの1行説明(誰が、何のために、何ができるアプリか)
  • このテーマで扱う情報の例3つ以上

ヒント

意見が割れた時の対処法:「多数決」より「全員が許容できる第二候補を選ぶ」ほうが、その後の作業がスムーズです。「1人の推し」より「全員のそこそこ」を取りましょう。

完全に決まらなくても、Day 2以降に微調整は可能です。今日は「大まかに方向性が決まる」レベルでOKです。

まとめ(5分)

今回はチーム編成と開発テーマの決定を行いました。テーマは「誰のために」「何の情報を」「どう扱うか」の3点を意識して選びました。

次のセッションでは、情報アーキテクチャの正式な定義を学びます。今チームで決めたテーマが「IAの定義」とどう結びつくかを意識してください。

🔄 振り返りチェック

  • 自分のチームの開発テーマを1文で説明できますか?
  • このテーマで扱う情報を、3つ以上挙げられますか?
  • このテーマを選んだ理由を、メンバーに共有しましたか?

補足資料

  • 参考リンク: ペアプロ・モブプロのチーム作り、KJ法によるアイデア整理
  • 発展課題: 過去の研修で発表されたテーマを参考に、自分たちのテーマを比較してみる

学習ガイド

想定される質問と回答例

質問 ヒント
全員違うテーマがしたい 共通点を探す。「家計簿」「シフト管理」「読書記録」は全て「個人記録系」で類似
既存サービスのコピーでもいい? OK。むしろ、既存と「どう違うのか」をペルソナで差別化するのがIA学習に最適
4日間で本当に動くものができる? 完璧には動かない。「コア機能1つが動く」レベルを目指すと現実的

つまずきやすいポイント

つまずきポイント ヒント
壮大すぎるテーマを選ぶ 「全機能」より「コア機能1つ」に絞る。SNSなら「投稿と表示だけ」
AIの提案を鵜呑みにする AIの提案は叩き台。チームで議論して取捨選択
チーム名で30分使う タイムキーパー必須。チーム名は5分以内、決まらなければ後でOK
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